研究課題/領域番号 |
12J08815
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学(英文学を除く)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉戸 勇気 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2012年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | ビロード革命 / チェコ文学 / 現代美術 / プラハ / ボフミル・フラバル / ヤーヒム・トポル / ルドヴィーク・アルムブルスター / チェコ美術 / ミラン・クンデラ |
研究概要 |
1. 報告者は、昨年度から引き続きボフミル・フラバル小説と二十世紀美術の関わりについての調査を進めた。フラバルには長い間画家と共同生活を行っていた過去があるだけでなく、実際の小説の中に、美術作品を下敷きにして小説中の描写が行われていると思われる箇所が散見される。今年度はこれらの具体的な照合作業を行った。この中で同時代のアメリカ現代美術の影響を受けていることは大きな発見であった。二十世紀後半、共産主義圏内にあったはずの東欧チェコの文化には、意外にもアメリカ文化の影響を色濃く受けているところが見られる。こうした視点からの従来研究は少なく、今後のチェコ文化研究に新たな光を投げかけるものと思われる。 2. ヤーヒム・トポルをはじめとしたビロード革命以降にデビューした現代のチェコ人作家たちの文学が近年書外国語に盛んに翻訳されている。それとともに欧米での研究も盛んになってきており、欧米での新しいチェコ文学の読まれ方について、研究論文等の調査を始めた。報告者はここで、前提となる文化の差異が生み出す読解の新たな可能性について見出した。これは博士論文に活かす予定である。 3. 報告者は、チェコの知識人で日本とも交流の深い哲学者でカトリック神父ルドヴィーク・アルムブルスター氏の長編インタビューの翻訳を完成させた。これは現在編集の最終段階で近日刊行予定である。オーストリア=ハンガリー二重帝国から、ナチス・ドイツ、ソヴィエト共産党による支配まで二十世紀のチェコの歴史とそれを実際に体験した者の口述資料であり、チェコ社会の具体的状況を知るには有益で貴重な史料である。報告者は本年度の夏、アルムブルスター氏と直接面会し、日本版出版に向けた編集作業を行った。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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