研究課題/領域番号 |
12J08820
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
代数学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 雄一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | L関数の特殊値 / p進L関数 / Selmer群 / 岩澤理論 / 保型形式 / Eisenstein級数 / 合同加群 / p進コホモロジー |
研究概要 |
今年度は、昨年度に引き続き、総実代数体F上のHilbert保型形式に伴うp進Galois表現が剰余可約な場合の2次元岩澤理論について考察をした。Fが有理数体Qの場合には、Vatsal氏のL関数の特殊値に関する結果及びGreenberg氏とVatsal氏による2次元剰余可約表現の岩澤主予想を解決した結果を一般化し、論文に纏め、投稿した。また、昨年度に得た結果を、より一般的な形で再考し、Vatsal氏のL関数の特殊値に関する結果を一般化し、論文に纏め、投稿した。 後者の主結果は、あるcohomologyのtorsion-freeに関する仮定(例えば、Fが実2次体)のもとで、カスプ形式とは限らない保型形式におけるMellin変換公式をcohomologyの言葉で解釈することにより、次の2つの結果から従う : (1) Hilbert Eisenstein級数に伴うcohomology classのintegrality及びそのmod p non-vanishing ; (2) Hilbert保型形式の間の合同式からそれらに伴うcohomology classの間の合同式を導くこと。 (1)の結果は、F=Qの場合のStevens氏の結果の一般化である。本結果の証明の手法は、保型形式のもつ解析的性質だけでなく、数論的性質(p進保型形式に関するAndreatta氏とGoren氏の結果)を用いたもので、Stevens氏の手法と大きく異なる。この手法の一部はSkinner氏及びBerger氏のアイデアに基づく。彼らが扱うcohomologyの次数は1だが、本研究では拡大次数[F : Q]>1である。そのため、扱うcohomologyのtorsionのコントロールはより難しくなる。本結果は彼らの結果よりさらに強く、Eisenstein級数に伴うcohomology classのintegrality及びそのmodpnon-vanishingを示している。 (2)の結果は、F=Qの場合のVatsal氏の結果の一般化である。本結果の証明の手法は、Harder氏によって考案されたEisenstein cohomology理論を精密に調べた上で整p進Hodge理論を用いたものである。その手法は、Vatsal氏によるp進cohomologyにおける重複度1定理を用いた手法と異なる。この重複度1定理は、一般的に知られておらず、特に剰余可約表現の場合には解明がより難しくなる。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|