研究課題
特別研究員奨励費
化学反応と蒸留分離を統合した反応蒸留は、プロセス強化技術の一つとして注目されている。しかしながら、反応と分離を同時に操作するために反応蒸留のプロセス特性は強い非線形性を示すことが知られており、これまでは非線形性を抑制するための設計や操作方法について検討がなされてきた。ゆえに、プロセスの特徴を有効利用するための設計や操作方法はほとんど検討されていない。ここで、従来型の蒸留塔と反応蒸留の塔内温度に着目すると、従来型の蒸留塔は、塔底から塔頂に向かうにつれて温度は低下するが、反応蒸留では塔頂側の温度が塔底よりも高い場合がある。この塔内温度は、ヒートポンプ技術を応用した省エネルギー蒸留システムである内部熱交換型蒸留塔の塔内温度と類似している。内部熱交換型蒸留塔は圧縮機を用いて濃縮部の圧力と温度を上昇させているが、反応蒸留は圧縮機を用いずに内部熱交換技術を適用できる可能性がある。そこで本年度は、蒸留分離・伝熱操作・化学反応の三つの操作を統合した反応-蒸留分離システムとして、反応蒸留システムへの内部熱交換技術の適用可能性について、モデルベースで検討を行った。適用可能性は、酢酸メチル合成系を対象に、従来型の反応蒸留と内部熱交換技術を適用した反応蒸留のエネルギー消費量から検討した。その結果、内部熱交換技術を適用した反応蒸留システムのエネルギー消費量は、従来型の反応蒸留よりも、約12%削減できたことから、反応蒸留の強化技術として適用可能性があることが分かった。そこで、蒸留塔内で内部熱交換の推進力となる温度差が得られる反応系の選定も行った。反応系の選定は、反応に寄与する成分数とその沸点の大小関係を任意に変化させた11種類の疑似反応系を用いて行った。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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