研究課題/領域番号 |
12J09043
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
西嶋 一泰 立命館大学, 先端学術研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 民俗芸能 / 東日本大震災 / 過疎高齢化 / グローバル化 / 地域コミュニティ / 祭り / ニューカマー / マッチング / 民族芸能 / 文化財 / 地域活性化 / サークル / 民舞教育 / ヨソモノ / 観光 |
研究概要 |
過疎高齢化が進み伝承の危機にある民俗芸能を従来の伝承者たちと、新しく伝承に関わるようになったニューカマーや外部の演者たちが、グローバル化が進む現在に合致するかたちで民俗芸能をアップデートしていこうとする実践について調査を進めてきた。東日本大震災で甚大な被害を被った岩手県大槌町では震災以降も大神楽、虎舞、獅子踊りなど民俗芸能が盛んに行われている。地域そのものの存続の危機に際して、若者達が地域と自らのアイデンティティを芸能に求め、各種の助成金や支援団体、あるいはインターネットでの情報発信によって、地域コミュニティの崩壊後の民俗芸能の場を従来とは異なるかたちでもなんとか確保していこうという実践がみられた。宮城県石巻市の雄勝町では神輿を通した伝承者と外部の新たな文化実践が展開されつつある。首都圏で各地の神輿を趣味で担ぎまわっていた人びとが、よりローカルな地域の祭りとの連携や支援を企図し、雄勝町の白銀神社の神輿の修繕と担ぎ手支援を2013年から始めている。この団体は首都圏の祭り好きたちと過疎高齢化が進む地域とのマッチングを計り、山梨の笛吹市や岐阜の揖斐川町の継続の危機にあるローカルな祭りにも担ぎ手や人手を首都圏から引き連れて参加している。この実践は申請者が継続して調査を行ってきた青森県今別町の大川平荒馬踊りに県外から踊り好きたちが継続的に地元の祭りに参加するようになった事例に通じる。外部からローカルな祭りに参加するということは、暗黙のルールやこだわりを聞き取りや実践への参加によって模索であり、彼らの活動は祭りの実践的な質的調査でもある。その結果明らかになるのは、高齢の伝承者が語る過疎高齢化し祭りが衰微する以前の活気ある荒々しい祭りの姿である。そして、そのかつての風景を外部の人びとが地元の若い伝承者たちとともに現在に取り戻そうとする活動が始まっている。本研究では、グローバル化によって、地方の衰退や画一化が進む現在において、人びとの拠り所となるローカルな場を、従来の伝承者と新たな参加者によってつくりだそうとする実践の詳細な調査をすすめた。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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