研究課題/領域番号 |
12J09187
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
長屋 尚典 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語対照研究系, 特別研究員(SPD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2012年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | オーストロネシア語族 / 東インドネシア / 空間指示 / 空間移動 |
研究概要 |
本研究計画は、東インドネシアで話される諸言語を中心に、オーストロネシア諸語における空間指示・移動表現の類型と歴史を解明することを目指している。初年度にあたる平成24年度は、空間表現に関する基礎的調査を行い、研究代表者が既に調査した経験のあるラマホロット語に焦点を絞り研究を実施した。また、東インドネシア諸語の空間表現の類型と歴史をより立体的に捉えるために、西インドネシア諸語・フィリピン諸語に関する調査も行った。 研究を実施した結果判明した主な事実を2つ述べる。まず、ラマホロット語を含む東インドネシア諸語の話者が、空間を指示する際に、「左」「右」という相対的な空間表現を使わずに、「山側」「海側」という絶対的な空間表現を用いることが言語データの上で実証できた。さらに、同様の傾向は、同じ話者がインドネシア語を使う場合でも非言語タスクを行う場合でも確認された。次に、東インドネシア諸語が、少なくとも空間表現についてタガログ語などのフィリピン諸語、インドネシア語などの西インドネシア諸語と大きく異なっていることが分かった。おそらく最も重要な違いは、タガログ語では相対的空間表現が可能であること、および、それに関して、ラマホロット語では直示移動動詞が重要な働きをするのに対して、タガログ語では直示移動動詞が存在しないことである。この研究計画では共通の調査用素材を複数の言語に使用しているので、それらの言語間の違いが鮮明に理解できた。
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