• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

新規抗生物質を用いたミズカビ病治療薬の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J09364
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 水産化学
研究機関立命館大学

研究代表者

中川 和也  立命館大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードミズカビ / 放線菌 / 抗生物質
研究概要

本研究はマス、サケなどの淡水養殖場でしばしば発生し、世界的に大きな被害をもたらしているミズカビ病という魚病に対する治療薬になりうる物質を自然界より見出し、構造、活性、作用メカニズムを解明することを目的としている。従来、このミズカビ病に対する消毒剤として用いられていたマラカイトグリーンは発がん性を有するため、使用できない。一方、現状知られている代替薬剤や処理方法は、環境負荷や新規設備投資を強いるために制約が多いため、我々が見出した3つの新規抗生物質について検討してきた。
当該年度はミズカビ病を抑制する新規抗生物質の構造解析を中心に行った。これまで単離精製が難しかったStreptomyces sp.TKO8057株由来抗ミズカビ活性物質を5成分単離し、それらの平面構造をabyssomicin類縁体であることを明らかにした。その1成分である057EのX線結晶構造解析に向けた結晶溶媒条件検討を行った。Streptomyces sp.KS84株由来oridamycin類の類縁体を新たに2成分を構造決定し、抗ミズカビ活性を測定できた。これまでの知見とあわせ、oridamycin類の構造とミズカビ抑制効果の構造活性相関の理解につながった。Streptomyces sp.TK08046株由来化合物の類縁体構造決定を行い、新規saquayamycin type抗生物質であることを明らかにし、saprolmycin A-Eと命名した。また、マス卵やメダカ卵での防除試験系を構築し、安全性を評価できた。また、saprolmycinの標的分子決定について新たな検討手法を見出し、ミズカビ可溶性タンパク質であるNDPKであることを突き止めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題1年目の計画では、検討している3つの抗生物質の抗ミズカビ効果とその構造の解明に重点をおいていた。結果、3種類の新規抗生物質の構造解析だけではなく、同時に見出した類縁化合物も多数構造解析でき、構造活性相関研究につながった。さらに、構造活性相関からミズカビへの作用メカニズムの研究の切り口が見出され、標的分子決定に導くことができた。

今後の研究の推進方策

本研究課題では3つの新規抗生物質を見出し、ミズカビの生育を抑える強さや効果について検討してきたが、今後は実際の養殖場スケールでの試験が求められる。試験方法や試験場所については、共同研究という形で滋賀県水産試験場より協力が得られたものの、試験に必要な分量の抗生物質の準備が課題で、放線菌の培養と抗生物質の生産効率の向上が必要である。今後は静岡大学での培養生産効率向上の条件検討と徳島県立大学での生合成遺伝子解明および全合成を検討していく。

報告書

(1件)
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Diepoxyactinorhodin : a new pyranonaphthoquinone dimer from Streptomyces sp.2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Nakagawa, Akihiro Hiraoka, Nobutaka Imamura
    • 雑誌名

      The Journal of Antibiotics

      巻: (印刷中) 号: 5 ページ: 599-607

    • DOI

      10.1038/ja.2013.12

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Saprolmycins A-E, new angucycline antibiotics active against Saprolegnia parasitica2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Nakagawa, Choko Hara, Shinji Tokuyama, Kentaro Takada, Nobutaka Imamura
    • 雑誌名

      The Journal of Antibiotics

      巻: 65 号: 12 ページ: 599-607

    • DOI

      10.1038/ja.2012.86

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 新規抗卵菌物質saprolmycinEの作用機作研究2013

    • 著者名/発表者名
      中川和也、松尾洋孝、角谷幸一郎、川崎崇、今村信孝
    • 学会等名
      第133年会 日本薬学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2013-03-29
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] Saprolmycin生合成遺伝子の取得2013

    • 著者名/発表者名
      川崎崇、渡遥あゆみ、中川和也、今村信孝
    • 学会等名
      第133年会 日本薬学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2013-03-29
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 放線菌の二次代謝誘導に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      松尾洋孝、近藤義幸、中川和也、今村信孝
    • 学会等名
      第133年会 日本薬学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2013-03-28
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 放線菌の二次代謝誘導に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      中井俊樹、中川和也、山口幸祐、阿波沙耶花、川崎崇、高田健太郎、今村信孝
    • 学会等名
      第62回 日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      武庫川女子大学(兵庫県)
    • 年月日
      2012-10-20
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi