研究課題
特別研究員奨励費
銀河宇宙線の起源や加速・伝播機構の解明に向けて、国際宇宙ステーションにおける宇宙線観測実験CALETの装置開発を進めている。本研究では、シミュレーション計算や加速器ビーム実験を通じて装置性能の検証を進めてきた。またフライトモデルの製作に伴い、地上における各種動作試験や較正実験を行った。(1) シミュレーション計算による観測性能評価と軌道上における検出器較正手法の開発 軌道上における検出器の出力較正のため、陽子やヘリウムを利用した較正手法を検討している。シミュレーション計算を基に、出力較正に利用可能な最小電離損失粒子の選別手法を開発し、またイベントレートを見積もることにより、軌道上において現実的な時間で較正可能であることを示した。(2) フライトモデルの地上較正試験 CALETのフライト品の完成に伴い、検出器の組上げ試験、システム試験、熱真空試験等を実施した。各過程において、テストパルスやペデスタルのノイズレベルの評価、宇宙線ミューオンを利用した動作確認等を行ってきた。最終的なエネルギー較正に必要となる信号応答の基礎データの取得についても、紫外線パルスレーザー光を利用して全チャンネルの較正試験を実施した。(3) CERN-SPSにおける重粒子ビーム実験 CALETのフライトモデルと同じ構造をもつ熱構造モデルを用いて、欧州原子核研究機構CERNのSPS加速器においてArの破砕核を利用した加速器実験を実施した。この実験では、初めてカロリメータによるシャワー粒子の出力応答を検証することができたため、後方散乱の影響を含む電荷測定性能、エネルギー測定性能の検証を行った。今後詳細な解析を進め、CALETに最適なハドロン相互作用モデルの検証も行う。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Advances in Space Research
巻: 55 号: 11 ページ: 2500-2508
10.1016/j.asr.2015.03.006
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宇宙科学情報解析論文誌
巻: 3(印刷中)
Proc. of 33rd ICRC
巻: (印刷中)