研究課題/領域番号 |
12J09626
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長田 健一 東北大学, 大学院教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2012年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 価値多元社会 / 共生 / 社会的正義 / 社会的不正義 / フォーマル・ジャスティス / インフォーマル・ジャスティス / 社会秩序形成 / 市民的資質 / 社会科 / アメリカ合衆国 / 論争問題 / 正義 / 熟議 |
研究概要 |
平成25年度は、これまでに分析してきた様々な市民的資質育成のカリキュラムを、それぞれの目標・特質から理論的に分類する作業を中心に行った。 まず、分類にあたっては、本研究のテーマとなっている「『価値多元社会』における共生」の意味をより明確化させるために、「共生」を「社会的正義を基盤とした社会秩序形成」として捉えた。これは、米国社会が特に1960年代以降、社会的正義の概念を、多元的な民主主義社会における対立関係の調整のための中心的な指標・原理としてきたためである。 より具体的には、まず、1960年代に頂点を迎えた公民権運動などの人権や社会的公正を求める諸運動が1970年代以降、1. インフォーマル・ジャスティスと総称される、公的な裁判制度によらない民間の紛争解決システム(当事者間の調停など)へと展開していったことが挙げられる。それに対し、2. 裁判や現行の公的な社会制度を活用、あるいは新たな社会制度を構築することで社会的対立関係を調整しようとする、フォーマル・ジャスティス重視の流れが存在する。さらに、社会制度の構築による秩序形成は、いわゆる3. 「集計民主主義」と4. 「熟議民主主義」のいずれに基盤を置くかによって方向性が分かれる。これら1~4の類型は、総じて現在の社会構造を前提とした上での社会的正義の追求による秩序形成である点で共通している。 これに対し、社会的不正義を追究することで現在の社会構造を変容させ、秩序(社会的関係性)の脱構築を目指す方向性が、特に1990年代以降見られるようになった。この方向性は、5. 社会構造に内在する不正義を批判的に認識させようとするものと、6. 社会構造を変容させるための市民的関与を目標とするものとに分けることができる。 本研究は、以上の1~6の類型を提示して、これまでに別個に論じられてきた様々な市民的資質育成のカリュラムを体系的に論じた点に意義があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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