研究概要 |
柴田研究室は、E-906/SeaQuest実験の飛跡再構成のための検出器を担当している。2012年の春に、アメリカフェルミ国立加速器研究所の加速器からSeaQuest実験のスペクトロメータに初めて120GeVの陽子ビームが供給された。Run-1と呼ばれる2ヶ月に及んだ検出器の試運転は2012年の5月に完了した。 2012年の研究課題は、飛跡再構成の検出器とdi-muonの飛跡再構成についてである。ビーム強度が不安定であり、更に同時ヒット数が非常に多いため、パターン認識の新しい手法を開発していて、全体の飛跡再構成に実装しているところである。 スペクトロメータの性能を評価するためにJPsiの統計量を増やす必要がある。私はそのため、新しいパターン認識の手法を開発した。この手法は、全体の飛跡再構成に適するドリフトチェンバーのヒットを選び出すために用いられた。結果として私はJPsiの統計量を2.4倍に増やすことに成功した。また得られたJPsiの不変質量(2.938±0.020) GeV/c^2と幅(0,205±0.019) GeV/c^2は極めて大事な結果であり、初めてスペクトロメータが期待された通りの性能を有していることを確認できた。
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