研究課題
特別研究員奨励費
本研究の最終目的は、高効率量子ドットレーザー及び量子ドット太陽電池を実現する事である。研究の遂行は(1)配置制御された2次元・3次元ナノディスクアレイ構造の作製、(2)配置制御ナノディスクアレイ構造の特性解析、(3)デバイスの作製・評価の3段階に分けて行う予定であった。(1)構造制御技術として、以前より利用してきたフェリチン(φ12nm、内部にφ7nm鉄コア含有)に加えてリステリアDps(φ9nm、内部にφ4.5nm鉄コア含有)をバイオテンプレートとしてりようし多重量子井戸構造をエッチング加工し、直径6.4nm、ディスク中心間隔8.7nm、ディスク間隔2nmの3次元Siナノディスクを高密度(単層で1.4×1012cm^<-1>)に作製することに成功した。また、化合物半導体においてもバイオテンプレート極限加工および分子線エピタキシー法を用いて間隔制御配置法、低欠陥エッチング加工、表面パシベーション技術、埋め込み再成長技術を確立し、高密度・サイズ制御可能なGaAsナノディスクの作製に成功した。(2)紫外・可視・近赤外光分光法を用いてSiナノディスクの構造と光吸収特性との関係性を評価した。その結果ナノディスクでは厚さと直径の両方で量子閉じ込め効果が働いていることが明らかになり、これによりバンドギャップを1.3~2.3eVの範囲で制御可能となった。また、3次元超格子構造においてミニバンドと光学・電気物性との関係性を評価したところ、平面方向のミニバンドは光吸収に大きく関与し、縦方向ミニバンドは導電性に寄与していることが実験的に示された。(3)(1)(2)の結果をもとに、Siナノディスク構造を用いて太陽電池を作製し特性評価を行ったところ、ミリアンペアオーダーの電流を取り出すことに成功した。以上の結果は制御性の高い量子ドット3次元超格子においてミニバンド等の量子効果と物性との関係を示したものであり、学問上および量子ドットの実用に向けて極めて有益な成果である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件)
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