研究課題/領域番号 |
12J09957
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
杉山 豊 東京外国語大学, 大学院地域文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2012年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 中期朝鮮語 / 個人語 / 杜詩諺解 / 漢字語 / 漢字音 / 音韻 / アクセント / 表記 / 書誌 / 成立過程 / 声点 / 紙背文書 |
研究概要 |
本年度は、前年度に引き続いて、中期朝鮮語に、共時的に共存していた言語的変種、特に人語(idiolect)の差異が、中期朝鮮語ハングル文献にいかに反映されるか、対象を1480年代刊行文献にしぼって検討、考察を行った。 そのうちでも特に、1481年に編纂が開始されたとされるハングル文献、『分類杜工部詩(杜詩諺解)』初刊本の現存の諸巻の用例全てを対象とし、1)同一の漢字語を漢字で表記するか、あるいはハングルで表記するかが、巻によって傾向を異にすること ; 2)/i/、/j/を末音に有する漢字語に主格助詞や繋辞(その活用形に由来すると見られる助詞も含む)が後続した例において、当該漠字語が漢字で表記された場合に主格助詞、繋辞の'i'の表記されるか否かが、漠字語(単漢字ではない)のアクセントと相関性を有すること ; 3)ある漢字が朝鮮漢字音において字義の差を伴わずに複数の音を有する場合、その分布が巻によって異なることが明らかになった。言うまでも無く、1)は表記における、3)は字音における、個人語の差異の反映である可能性が高い。更に1)については、用例の選択に当たって、原文(原詩)において対応する語が何であるかも、フィルタリング基準の一つとしており、漠文の翻訳(諺解)における語彙選択の傾向への個人語の反映という面にも触れることとなった。2)は当初、'i'の表記の有無が部分によって分布を異にする、すなわち担当者の個人語の差異を反映する可能性を検討するために調査したものであったが、この現象については、個人語の差異よりも、漢字語のアクセントという、より言語内的な要因の作用していることが明らかとなった。 その一方、研究を進める過程において、言語資料たる中期朝鮮語文献の定本確定の必要を痛感し、文献の実見調査を進めつつ、校勘作業を行った。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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