研究課題/領域番号 |
12J10075
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 昭和三陸津波 / 震災復興 / 高台移転 / 農山漁村経済更生運動 / 産業組合 / 復興スキーム / 高所移転 / スモールライフライン / 山道 / 私的復興 |
研究概要 |
本年度の研究においては、まず昭和三陸津波後の復興事業が、昭和恐慌の対策として農林省および内務省において構想されていた農山漁村経済更生運動の流れに沿ったものであることを明らかにし、また新漁村建設にあたっての模範集落として選定された大槌町吉里吉里集落においてモデル事業として高所移転事業や産業振興事業を含む各種復興事業が実施されたことを確認した。さらにそうした復興事業の実施主体としての産業組合の人事や地籍図に基づく高所移転地の土地所有の変遷に関する分析により、被災集落における地域コミュニティの変容を具体的に明らかにした。こうした昭和三陸津波後の国家官僚が主導する災害復興スキームは、それ以前には見られなかったものであり、また現在の災害復興スキームにもつながる重要な転換点であり、その実態解明は災害史研究においても意義深いものであるといえる。 また、その後のチリ地震津波および東日本大震災後の復興過程の分析および災害復興関連の法制度の変遷に関する分析により、戦後の災害復興と昭和三陸津波後の官僚主導の事業メニュー型の復興スキームとの類似点及び相違点を具体的に明らかにした。さらにその上で、人口減少や少子高齢化が進む成熟社会を迎えた21世紀の日本社会においては成長を前提とした20世紀型復興スキームがなじまないことを指摘し、それを乗り越え新たな21世紀型の復興スキームとして、明治三陸津波や昭和三陸津波後における自助や共助をベースとした災害復興のあり方をモデル的に提示した。 このように本年度の研究においては昭和三陸津波後の復興の実態を明らかにするという歴史研究としての目的と、そこから現在進行形の東日本大震災後の復興および将来の災害復興に役立てるための現代的意義を抽出するという目的の双方を達成したものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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