研究課題/領域番号 |
12J10757
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
反応工学・プロセスシステム
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
林 太郎 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2014
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研究課題ステータス |
完了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2014年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 貫通電極(TSV) / 電気銅めっき / 一価銅 / 促進剤 / 電解銅めっき / PRパルス電流 / シミュレーション / 回転リングディスク電極 |
研究実績の概要 |
高集積回路に求められる情報処理量の増加に伴い、半導体素子面積の増大を目的としてチップを積層し、素子を高密度化することが検討されている。このチップ積層技術として、積層されたチップ間の直接配線を可能とする貫通電極(TSV)に注目が集まっている。本研究では、TSV製造工程の中でもキーテクノロジーの一つとされる、ホール充填を目的とした電気銅めっき技術の反応促進メカニズムについて検討を行った。 Cu+イオンはCu2+イオンと比較して反応速度が大きく、電気銅めっき中に生成されるCu+イオン濃度が増加することにより、電気銅めっきが促進されると考えられる。昨年度行った数値解析により、電気銅めっき中のCu+イオン濃度は銅溶解中に増加することを明らかにした。しかし、電気銅めっきの促進は銅溶解時ではなく、銅析出時に生じるはずである。そこで本年度は、銅析出中において、促進剤であるSPSや塩化物イオンがCu+イオン濃度に与える影響について検討を行った。 電気化学に基づく解析を行った結果、SPSおよび塩化物イオンを添加した場合において、電気銅めっきの銅析出中に生成されるCu+イオンが増加し、電気銅めっきが促進される現象を明らかにした。そのため、既往の研究および本研究から考えられる電気銅めっき促進メカニズムを検討した。SPSは塩化物イオンが存在する酸性硫酸溶液中において、還元反応によりSPSの単量体を形成し、SPSの単量体は再び酸化することでSPSを形成することが報告されている[1]。このSPSの酸化還元サイクルにCu2+イオンが取り込まれ、Cu+イオンに還元されるとした電気銅めっき促進モデルを提案した。 [1]U. Forsman, J. Electroanal. Chem., 122, 215(1981).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、電気銅めっき中において、促進剤であるSPSや塩化物イオンがCu+イオン濃度に与える影響について検討を行った。電気化学に基づく解析を行った結果、SPSおよび塩化物イオンを添加した場合において、電気銅めっきの銅析出中に生成されるCu+イオンが増加し、電気銅めっきが促進される現象を明らかにした。また、既往の研究および本研究から考えられる、SPSや塩化物イオン、Cu+イオンの相互作用による電気銅めっき促進メカニズムを提案し、学術論文に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は平成26年度を最終年度とするため、記入しない。
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