研究課題
特別研究員奨励費
本年度実施された研究はPromoting Proteinの下流において誘導される現象の解明である。Promoting Protein/NPC2タンパク質は前年度までの成果により、Promoting Protein/NPC2タンパク質による細胞増殖抑制においてAMP-activated protein kinase(AMPK)を活性化させることが明らかになっていた。AMPKはオートファジーの上流因子の一つである。加えてNpc2欠損マウスは先行研究において、オートファジー因子の欠損マウスと類似した病態を呈することがわかっている。以上の観点から、Promoting Protein/NPC2タンパク質は動物個体におけるオートファジー機構に寄与しているという仮説を立てこれを検証した。まずPromoting Protein/NPC2の活性の一つである細胞増殖抑制活性を評価する系として、マウスがん細胞FM3Aを導入した。その結果、Promoting ProteinまたはマウスNPC2の添加によってFM3A細胞の増殖が抑制されることを見出した。この時、Promoting Proteinを添加したFM3A細胞において、AMPKの活性化が起こっていた。また、オートファジーの負の調節因子であるAktおよびmTORの不活性化が生じていた。そして、カイコPromoting ProteinまたはマウスNPC2タンパク質を添加したFM3A細胞において、抗LC3抗体を用いた免疫染色を行ったところ、LC3の集積が確認された。これらの結果は、NPC2タンパク質によってオートファジーが誘導されることを示唆している。本研究成果は、動物個体におけるオートファジーの誘導機構の理解に資するものであると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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