研究概要 |
私の研究目的は,大振幅のピッチング動作中にphotogrammetry測定技術と力測定を組み合わせて後退角の小さくかつ剛性の低い柔軟なデルタ翼の挙動を理解することである.過去の研究としてGursulらによって柔軟なデルタ翼の場合,同じ形状の剛性の高いものに比べ,ポストストールと呼ばれる領域において大きな揚力効果が得られるという結果が示されている.今回の実験では,後退角50°,コード長200mmのデルタ翼で厚みを0.4mm,0,6mm,1.0mmと変えて行った.またピッチング動作の静的実験と動的実験の両方を行い,それぞれにおいてデルタ翼の揚力曲線を調べた. この実験からではGursulらの示した結果を得ることができなかった.これはデルタ翼を支える支持部のサポート領域に起因していると考えられ,デルタ翼の支持部の長さを短くすることによってこの結果を得ることができることが追実験によって確認された.それに加え,デルタ翼の支持領域の幅と支持部の長さに対しても揚力効果の影響が見られることも確認することができた.今後の実験では支持機構を改良し,Gursulらの支持機構を置き換えることによって行う予定である. また12月中旬から2月の末までの期間にウェスタンミシガン大学のTianshu Liu研究室にて研究をしてきた.この期間ではphotogammetry測定で使用するカメラキャリブレーションのためのキャリブレーション方法の学習について学んだ.この方法は,従来よりもはるかに簡単であり風洞実験においてより効果的に使用することができる.また,フレキシブルフラット矩形板の3D座標測定技術の周波数解析についても学んできた.これは振動する平板の3次元座標と矩形平板の周波数を求めるために利用される技術で,この経験を研究に生かしていきたいと考えている.
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