研究概要 |
赤内期マラリア感染に対する新規ワクチン候補抗原分子を同定するため、ネズミマラリア原虫Plasmodlum yoelii yoeliiの異なる2株を用いて、遺伝連鎖群解析法により赤内期マラリア原虫感染に対する防御免疫を誘導する原虫抗原の探索を行った。 始めに異なる2株のネズミマラリア原虫株のゲノミックDNAを回収し次世代シークエンサー(Illumina HiSeq 2000)でシークエンス解析し、株間に約29000の一塩基多型(Single Nucleotide Polimorphism,SNP)を同定した。続いて異なる2株のネズミマラリア原虫をそれぞれ感染させ、薬剤により感染治癒させることで赤内期マラリアに対する防御免疫を賦与したマウスと免疫を賦与していないマウスにあらかじめ作製した2株の交配株群を感染させた。感染した原虫株群のゲノミックDNAを回収し、次世代シークエンサーによりシークエンス解析を行い、始めに明らかにした29000のSNPで交配株群中における親株のアレル頻度を同定した。 その結果、染色体3番、8番、13番上に赤内期マラリア原虫感染に対する免疫を司る遺伝子領域が同定された。免疫により選択された各染色体上の遺伝子領域の詳細な検討を進めているが、最も強く免疫により選択された染色体8番上には4つの候補遺伝子を同定した。さらに染色体13番上には現在14の候補遺伝子を同定している。染色体3番上の候補遺伝子は現在候補遺伝子の検討を行っている。
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