• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

言語理解と行動制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12NP9201
研究種目

創成的基礎研究費

配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

田中 穂積  東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80163567)

研究分担者 白井 良明  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50206273)
古井 貞煕  東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90293076)
辻井 潤一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20026313)
土屋 俊  千葉大学, 文学部, 教授 (50155404)
中嶋 正之  東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60092566)
研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
キーワード言語理解 / 行動 / ソフトウェアロボット / 言語と行動制御の理論 / パラ言語現象 / 音声対話 / 話し言葉 / CG
研究概要

情報ネットワーク社会の到来とともに,我々を取り巻く情報環境,情報空間は,質・量ともに大きく変質してきた.ここ数年,急速に変化しつつある情報空間を,使いやすく豊かな空間にする研究は緒についた段階にある.特に,情報空間に存在する情報を有効に活用するためには,我々人間の手助けをしてくれるシステムが情報空間に存在していることが望ましい.そして,そのシステムとの対話は,音声を通じて自然言語で行なうことが理想的である.なぜなら,自然言語は我々人間にとって最も自然で表現力豊かな対話の手段だからである.コンピュータによって言語や音声を理解することは,人工知能の研究と密接に関係している.しかし,1970年代以来の言語理解の研究を振り返って見ると,1970年代初期にMITで行なわれた研究を除き,行動という視点が欠落していた.機械翻訳,情報検索,文書分類・要約などでは,主として書き言葉の文書を対象としていたが,これらはいずれも言語理解は困難な研究課題であるとして,むしろそれを避けようとする研究の姿勢や傾向が見られる.本研究課題の目的は,主として話し言葉による対話と,対話によって生ずる相手の行動という視点から,音声を含む言語理解の機構を解明し,最終的には人間の知能,知的行動の原理の一端を明らかにしようとする新しい学術の創成を行うことである.
この研究目標を達成するために,「言語理解と行動制御」の研究計画では,次の4つの研究課題に大別して研究を行なうこととした.
1)言語理解の機構に関する研究
2)行動機能が豊富な3次元ソフトウェアロボットの構築
3)言語と行動制御に関する理論の構築
4)音声対話によるソフトウェアロボットの行動制御システムの試作
本年度は,上記の研究を円滑にすすめるために,同研究分野の現状や,いまだ解決されていない問題点などについて調査を行った.
1)については,まず言語理解の機構を計算機モデルの立場から分析し,問題点を明確にすることを試みた.また,音声認識・理解研究の現状と展望について調べた.特に,話し言葉の特徴を分析し,音響レベルから音声対話におけるこれまでの技術,さらにはジェスチャーなどパラ言語的な現象についても調査を行った.自然言語処理研究の現状については,特に,これまで十分に研究がなされてきたとはいえない日本語の省略と照応現象の調査について,詳しく調査した.省略と照応現象は,これまで主として書き言葉に対して行なわれてきたが,話し言葉に対する省略と照応現象についての考察も行った.2)については,ソフトウェアロボット研究の現状と展望を述べる.特に,人間とのコミュニケーションによるロボットの行動生成,画像・映像メディアのための画像処理および情報伝達と各種メディア,人間が行動可能な仮想環境に関する研究,表現性豊かな発話生成,ソフトウェアロボットの音声合成技術,グループ会話における状況理解と身体表現,などについて,既存研究の現状と問題点を詳細に調べた.3)については,言語理解と行動を統合するための新しい言語理論を比喩の立場から検討している.言語理解と行動に関する統合的な理論の構築をするために,比喩理論に基づいて,比喩の対象や場面の理解,言語化,知識の獲得,構造,利用について検討した.4)については,プリミティブなレベルではあるが,音声対話によるソフトウェアロボットの行動制御システムのプロトタイプ試作を行ない,問題点の抽出を試みた.音声対話で頻出する省略や照応現象における問題点を分析すると共に,その解決策も探った.これは,本研究計画で取り上げた研究成果の評価が必ずしも容易ではないと考えたからである.そこで,チューリングテストの考え方を採用し,音声対話によりロボットの行動制御を行なうプロトタイプシステムを実際に構築し動作させることにより,研究成果が妥当であるかどうかを判断し検証しながら研究を進めることにした.

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (37件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (37件)

  • [文献書誌] 古井貞煕: "話し言葉処理のメカニズム-音声認識から会話意図理解へ-"映像情報メディア学会誌. 54,6. 765-768 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 古井貞煕: "音声認識技術の最近の進歩"応用数理. 10,3. 251-254 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 古井貞煕: "音声認識におけるHMMの利用"日本行動計量学会第28回大会発表論文抄録集. 161-164 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 河原達也: "ここまできた音声認識技術"情報処理. 41,4. 436-439 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 河原達也: "(サーベイ)話し言葉音声認識の概観"電子情報通信学会技術研究報告. (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Keikichi Hirose: "Analytical and perceptual study on the role of acoustic features in realizing emotional speech"Proc.International Conf.on Spoken Language Processing. 2. 369-372 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Keikichi Hirose: "Temporal rate change of dialogue speech in prosodic units as compared to read speech"Speech Comunication. (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Junichi Tsujii: "Generic NLP Technologies : Language, Knowledge and Information Extraction"Proc.of the 38th Annual Meeting of the ACL. (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 松坂要佐: "グループ会話に参与する対話ロボット構築"電子情報通信学会論文誌. J84-D-II,6. (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 杉村和枝: "多義動詞「ひく」の意味派生を支えるイメージスキーマの変容"表現研究. 71. 27-34 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Sugimura,K.: "A container image schema and polysemous meaning in Japanese verb."Japanese Society. 4. 65-80 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 上市秀雄: "後悔がリスク志向・回避行動における意志決定に及ぼす影響:感情・パーソナリティ・認知要因のプロセスモデル"認知科学. 7(2). 139-151 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Tadashi Nomotc: "Comparing the Minimal Description Length Principle and Boosting the Automatic Analysis of Discourse"Proceedings of Seventeenth International Conference on Machine Learning. 687-694 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Taku Kudo: "Japanese Dependency Structure Analysis Bosed on Support Vector Machines"Proceedings of the 2000 Joint SIGDAT Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing and Very Large Corpora. 18-25 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Youji Kiyota: "Automatic Summarization of Japanese Sentences and its Application to WWW KWIC Index"In Proceedings of 2001 Symposium on Applications and the Internet. 120-127 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Sadao Kurohashi: "Automated Reference Service System at Kyoto University Library"In Proceedings of 2000 Kyoto International Conference on Digital Libraries : Research and Practice. 304-310 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Sodao Kurohashi: "Nonlocal Language Modeling based on Context Co-occurrence on Empirical"In Proceedings of the 2000 Joint SIGDAT Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing and Very Large Corpora. 80-86 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 山梨正明: "プロトタイプ効果とカテゴリー化の能力"日本語学. 19. 39-41 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 山梨正明: "認知言語学からみた関連性理論"言語共同研究所紀要. 24. 148-156 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 平田幸広: "足踏み動作解析に基づくウォークスルーのための速度制御"ヒューマンインタフェース学会誌. 2,4. 19-28 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Phongsuphap Sukanya: "Multiscale image analysis through the surfaceshape operator"Journal of Electronic Imaging. 9,3. 305-316 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 石井雅博: "ガラス細工メタファによる自由形状モデリングの提案"TVRSJ. 5,4. 1063-1069 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 徳田恵一: "多空間上の確立分布に基づいたHMM"電子情報通信学会論文誌 D-II. J83,7. 1579-1589 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 益子貴史: "多空間確率分布HMMによるピッチパタン生成"電子情報通信学会論文誌 D-II. J83,7. 1600-1609 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 吉村貴克: "HMMに基づく音声合成におけるスペクトル・ピッチ・継続長の同時モデル化"電子情報通信学会論文誌 D-II. J83,12. 2509-2516 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Wai Min Kong: "Visible Volume Buffer for Efficient Hair Expression and Shadow Generation"情報処理学会論文誌. 41,3. 594-600 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 奈良光紀: "拘束質点系モデルによる海草の揺らぎの生成"映像情報メディア学会技術報告. 24,41. 31-36 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroki Takahashi: "Animation synthesis for virtual fish from viedo"ICAT 2000. 90-97 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 床井浩平: "スキャンライン法による会話的CSG表示アルゴリズム"映像情報メディア学会誌. 54,7. 1061-1068 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 吉田武史: "複数種類の携帯情報端末に対応した三次元構造物内ナビゲーションシステム"情報処理学会研究会報告. 87-94 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 伊藤敦子: "光線空間法に基づく視点および光源方向がともに任意の画像生成"電子情報通信学会技術研究会報告. 100,636. 222-247 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 田中穂積: "言語理解とロボットの行動制御-音声認識から音声理解へ-"電子情報通信学会 言語理解とコミュニケーション研究会. 37-42 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 白井清昭: "自然言語解析のためのMSLRパーザ・ツールキット"自然言語処理. 7・5. 93-112 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 田中穂積: "言語理解-SHUDLEの先にあるもの-"人工知能学会誌. 15,5. 821-828 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 徳永武伸: "結合価情報を用いた語順の推定"言語. 29,9. 68-75 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Timothy Baldwin: "The Effects of Word Order and Segmentation on Translation Retrieval Performance"Proceedings of the International Conference on Computational Linguistics. 35-41 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 山梨正明: "認知言語学原理"くるしお出版. 310 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi