研究課題/領域番号 |
13014206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
反町 洋之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10211327)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | カルパイン / 骨格筋 / カルシウム / コネクチン / タイチン / EF-ハンド / 立体構造 / C2ドメイン |
研究概要 |
カルパインは細胞質内に存在するシステインプロテアーゼであり、構造・機能蛋白質を部分分解によりその構造、機能及び寿命を変化させて、細胞内の情報伝達系をモジュレートしている。この制御機構は全ての細胞系に存在し、生理的に極めて重要である。本研究ではこの情報伝達モジュレーションの分子機構を構造機能相関の解析から明らかにし、肢帯型筋ジストロフィー症のメカニズム解明に応用することを目指した。まず、自己消化活性が極めて強力なために寿命が10分以下という、骨格筋特異的カルパイン(p94)それ自身の寿命制御機構を解析した。p94がこのように短命であること、それ自身がプロテアーゼであること、多くの筋蛋白質は長寿命であることなどを考え合わせると、p94の分解制御機構を明確にすることで、多くの知見が得られることが予想される。我々は、1)p94のin vitroでの寿命は10分以下だが、in vivoではおそらくコネクチンとの相互作用によって分解が抑制されている、2)p94のドメイン構造の中でIS1、IS2領域が自己消化の制御に関与しており、これらの領域の一方を欠失すると分解が抑制される、3)筋肉には、alternative splicingによりIS1やIS2が欠失したp94も発現している、4)p94の自己消化は、分子内反応と分子間反応が同時に起こっている、ことを見出した。さらに、肢帯型筋ジストロフィー症の患者において100種類以上の病原性変異が同定されていることを利用して、(1)p94の分解をin vivoで抑制する機構の解析、(2)筋原繊維におけるコネクチンを中心とした様々な機能蛋白質の相互作用の同定を試みた。その結果、MURF-1やUBC9などの興味深い分子がp94-コネクチン系に相互作用することを見出し、カルパイン系とプロテアソーム系がコネクチン上でクロストークしながら、筋細胞の情報伝達ネットワークを制御していることが示唆された。
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