研究課題/領域番号 |
13015203
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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研究分担者 |
石田 尚臣 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80293447)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | HIV / 潜伏感染 / CpGメチル化 / ヒストンコード / ヌクレオゾーム / クロマチン免疫沈降法 |
研究概要 |
HIV潜伏感染と再活性化の分子機構を明らかにする目的で、昨年までに、メチル化された潜伏HIVが、シグナル依存的に再活性化に際してCREB/ATF siteのCpGがまず選択的に脱メチル化すること、この部位に特異的に結合する核内タンパク質が存在する事を示した。本年度は、この結合タンパク質の同定を試みるとともに、我々が新たに見い出した、非メチル化HIVプロウイルスをもつ潜伏感染細胞を用いて、メチル化非依存的な潜伏構構について解析を行った。選択的脱メチル化がみとめられるCpGを含むCREB/ATF siteに特異的に結合するタンパク質の同定につては、結合配列のオリゴマーを用いたDNAカラムによる精製とMALDI-TOF質量分析を行っている。一方、メチル化を介さないHIV潜伏機構の解析は、OM10.1を用いて行った。この細胞では潜伏しているHIVの発現が、TNFaやTPA等で活性化される。メチル化を介さない遺伝子発現抑制の機構をhistone codeの観点から検討するために、クロマチン免疫沈降法でLTR上のヒストンのアセチル化状態を解析致した。その結果、転写j開始点近傍のヌクレオソームB(NucB)とU5領域のNucCでは、非刺激時にはH1の結合とH3の低アセチル化が認められ、"repressive histone code"に合致する事、TNFa刺激後は、NucBではH1の解離とH3のアセチル化の亢進が認められ、"permissive histone code"への変換が確認されたがNucC題域ではそのいずれもが認められなかった。H3のリン酸化およびメチル化には変化が認められなかった。以上の結果は、非メチル化HIVの潜伏には抑制的ヒストンコードを介したクロマチンの凝集が関与している事を示している。今後は、repressive codeを解除するシグナル伝達系についての解析を進める予定である。
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