研究課題/領域番号 |
13015212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 啓寿 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00210013)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 核外移行シグナル / 核外移行阻害活性 / Rev蛋白 / valtrate / 1'-acetoxylchavicol acetate / 抗エイズ薬 / HIV / CRM1 |
研究概要 |
ヒト免疫不全ウィルス(human immunodeficiency virus)のRev蛋白質は、分子内に存在する特異的アミノ酸配列である核外移行シグナル(NES)と受容体蛋白質CRM1との結合により、核外へと移行されウィルスの複製に利用される。本研究では、これまで抗エイズ薬の標的としてはほとんど検討されていなかったRev蛋白に焦点を当て、その核外移行阻害を標的とした天然物由来の新しい抗エイズリード化合物の探索を検討した。 まず、Rev蛋白の核外移行シグナル(NES)と蛍光蛋白(GFP)との融合蛋白質を発現させた分裂酵母を用いた極めて簡便な蛋白質外移行阻害活性を検定するアッセイ系を構築した。そして、本アッセイ系を用いて生薬類および東南アジア薬用植物の数百にも及ぶ抽出エキスから新規活性物質の探索を検討し、著者がすでに見出しているRev蛋白核外移行阻害活性物質callystatin Aとは大きく化学構造上の特徴が異なる新規Rev蛋白核外移行阻害活性成分valtrateならびに1'-acetoxychavicol acetateを生薬カノコソウならびにタイ産薬用植物"Kaa"からそれぞれ単離、構造決定することに成功した。 また、これらのRev蛋白核外移行阻害成分は、感染細胞に障害性を示さない濃度でエイズウィルスの構造蛋白p24の産生を有意に抑制することを明らかにした。さらに、今回見出した新規Rev蛋白核外移行阻害成分の作用機序をcallystatin Aと比較解析するためのビオチン標識したプローブ分子の創製にも成功するとともに、両成分ともCRM1の529番目のシステイン残基と結合することにより、Rev蛋白の核外移行を抑制することを証明した。
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