研究課題/領域番号 |
13015213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
足立 昭夫 徳島大学, 医学部, 教授 (90127043)
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研究分担者 |
小山 一 徳島大学, 医学部, 助教授 (80109074)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | HIV-2 / アクセサリー蛋白質 / Vpx / Vpr |
研究概要 |
HIV-2に特異的に存在するアクセサリー蛋白質であるVpxおよびVpxに構造的に類似するVprのT細胞中での機能につきプロウイルスクローンの欠損体や各種マーカークローンを用いて系統的に解析した。VpxがマクロファージでのウイルスDNAの核移行に必須であることは知られていたが、T細胞での機能は不明であり、また、Vprのウイルス複製に関する役割はほとんど報告がなかった。 Vpx欠損体はサルのT細胞であるHSC-Fで野性株よりはるかに増殖が悪く、VpxがT細胞でのウイルス複製に重要であることが明らかになった。Vpr欠損体には複製欠損が認められなかったが、Vpx/Vpr2重欠損体はVpx欠損体よりさらに増殖が遅れた。Vpx/Vpr欠損体の複製欠損性は他のヒト株化細胞では見られなかった。各種クローンを用いた定量的解析の結果、Vpx欠損体の複製欠損部位はウイルスDNAの核移行段階にあることが示された。Vpx/Vpr2重変異体はこれに加えてウイルス粒子の集合/放出段階にも欠損があった。また、Vpx/Vpr欠損体はヒト末梢リンパ球でHSC-F細胞中と同様の複製欠損性を示した。ヒトマクロファージでのウイルス複製にはVpxが必須でありVprは不必要であることも確認された。 これらの成績は、(1)HIV-2DNAの核移行過程にはT細胞でもマクロファージでもVpxが関与しVprは関わっていないこと、(2)HIV-2Vprのウイルス粒子の集合/放出過程における機能はVpxが存在しない時にのみ明らかになること、さらに、(3)T細胞やマクロファージのような自然宿主細胞でのHIV-2複製にはVpxとVprが極めて重要な役割を果たすこと、を示している。
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