研究課題/領域番号 |
13017204
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東山 哲也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00313205)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 重複受精 / 花粉管 / 胚嚢 / 助細胞 / トレニア / 顕微細胞操作 / マイクロレーザー / 動態解析 |
研究概要 |
1.花粉管誘導機構の解析 胚嚢が裸出するトレニア(Torenia fournieri)における体外受精系の確立は、胚嚢が拡散性の花粉管誘引シグナルを放出することを初めて実験的に示した。シグナルを発生する細胞に着目し、さらに解析を進めた。無傷の胚嚢に対してほぼ100%花粉管が誘引されるように受精系を改良したのち、狙った細胞だけをUVレーザーで確実に破壊できる条件を見出した。その結果、卵細胞のわきにある2つの助細胞を2つとも破壊すると花粉管誘引が止まり、逆に助細胞1つを胚嚢内に残して他の全ての細胞を破壊しても誘引が見られることがわかった。これにより、少なくとも1つの助細胞が花粉管の誘引には必須であり、また、助細胞は単独でも自律的に誘引シグナルを発生できることが解明された。受精を行う卵細胞と中央細胞は、誘引シグナルの発生に直接的には必要でなかった。また受精が起こると、助細胞が1つ残っているにも関わらず、誘引が積極的に停止することも明らかになった。助細胞から発せられる花粉管誘引シグナルは、長くても100〜200μm程度の短距離で働くもので、花粉管ガイダンスの最終段において胚嚢のターゲティングを担うシグナルと考えられた。誘引活性に見られる有効誘引距離や種特異性から、花粉管誘引シグナルは従来提唱されてきたCa^<2+>イオンとは異なり、助細胞で生合成される物質であると考えられた。 2.受精および初期発生機構の解析 高感度ICCDカメラシステムを導入し、花粉管内部における精細胞および花粉管核、さらにその内部における染色体や核小体の挙動までも100倍対物レンズで連続的に撮影できるようになった。受精の瞬間の様子についてさらに解析を進めている。また受精後、胚嚢はin vitroで正常に発生を開始した。胚嚢細胞を単離し、回収する技術も確立されたので、各胚嚢内細胞のcDNAライブラリーの構築を開始した。
|