研究課題/領域番号 |
13017211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷 あきら 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183082)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 光形態形成 / 光応答 / 器官特異性 / 情報伝達 / 光受容体 / 植物ホルモン / フィトクロム / クリプトクロム |
研究概要 |
植物の光応答においては、細胞内のシグナル伝達に加えて、組織や器官間のシグナル伝達を考える必要がある。我々は、この問題に対して2つの方向から研究を進めてきた。 すなわち、プロモーター/エンハンサー・トラップ系統を用いた光応答遺伝子の研究を進め、一方、光受容体を特定の器官/組織で発現する系統を作出し、その解析を進めてきた。本年度については、これらの研究をさらに進め、次のような成果を得た。 これまでの研究から我々は、フィトクロムによる光応答に植物ホルモンであるオーキシンが関わることを示してきた。そこで、本年度は、新たに見出したプロモーター/エンハンサー・トラップの解析を進めた。この系統は、これまでの系統と見かけ上そっくりの光応答をするにも関わらず、オーキシンには応答しなかった。そこでこの系統についてさらに詳しくしらべ、ある種のホルモン受容体とホモロジーを示すタンパク質の遺伝子と、転写因子と推定されるタンパク質遺伝子の間にレポーター遺伝子が挿入されていることを見出した。また、この系統の植物ホルモンに対する応答を調べアブシジン酸によりレポーター遺伝子の発現が誘導されることを見出した。 また、フィトクロムBとGFPの融合タンパク質を器官/組織特異的に発現する系統を用いて、フィトクロムBによる根の緑化の制御について調べた。まず、フィトクロムBによる赤色光下での緑化とおそらくクリプトクロムによる青色光下における緑化を比較したところ、フィトクロムBは主に皮層、内皮の緑化を促進し、クリプトクロムは内鞘細胞の緑化を促進することを示唆する結果を得た。そこでそれぞれの部位でフィトクロムB-GFPを発現する系統で緑化を観察し、どちらの場合も緑化のパターンを変わらないことを見出した。このことは、皮層、内皮の緑化が内鞘細胞やその内側の細胞で発現したフィトクロムBによっても促進されることを示しており興味深い。
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