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植物の細胞分裂の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 13017214
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

関根 政実  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)

研究期間 (年度) 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード細胞周期 / タバコ / Rb / サイクリン / E2F / 分化 / ユビキチン分解系
研究概要

1.タバコサイクリンDの機能解析
昆虫細胞発現系により調製したタバコサイクリンD3がCdc2aと複合体を形成し、ヒストンH1とRbタンパク質をin vitroでリン酸化することを見い出した。また、タバコサイクリンDにGFPを融合させて、形質転換BY-2を作出し、細胞内局在性を解析した。野生型は核に局在するが、リン酸化部位変異体(T191A)は主に細胞質に局在することが分かった。T191Aを昆虫細胞発現系により調製したところ、Cdc2aと複合体を形成するがヒストンH1キナーゼ活性が低下し、サイクリンDの191番目のスレオニンが核への局在性とキナーゼ活性に必要であることが示唆された。次に、DNAヒストグラムを解析したところ、野生型の高発現によってG1期の細胞の割合が減少してS期の割合が増加し、タバコサイクリンD3がG1期からS期への移行を促進することが示唆された。また、グルココルチコイド誘導発現系を用いた実験系を確立し、リン酸化部位変異体(S296,300A)は野生型より安定だが、T191Aでは安定性が低いことが分かった。現在、他のタイプのサイクリンD3と供に、タバコRbの推定リン酸化部位を含むペプチドを合成して、各サイクリン/Cdc2a複合体の基質特異性を解析している。
2.タバコRbの機能解析
タバコRbにある13ケ所の推定リン酸化部位変異体を構築し、誘導発現系を用いて形質転換BY-2を作出した。誘導処理により細胞の成長が抑制されることが明らかになった。また、タバコRb抗体を作製し、Western解析によりBY-2細胞では植え継ぎ後5日目までは蓄積しているが、それ以降の増殖停止期では検出されないことが分かった。mRNAはどの時期でもほぼ同程度蓄積し、阻害剤を用いた解析により、Rbタンパク質が増殖停止期でユビキチン-プロテアソーム系によって分解されることが示唆された。また、[35S]メチオニンの取り込み後Rb抗体による免疫沈降により、増殖停止期でも新規合成は起こっていることが明らかになった。
3.タバコE2Fの機能解析
イネPCNAプロモーターをレポーターとした一過的な解析系により、タバコE2FがシロイヌナズナDPaと共発現することによって転写活性化が起きることが分かった。この系にタバコRbを発現させると量依存的にE2Fの転写活性化が抑制され、さらにサイクリンD3を発現させることによりRbによる抑制が回復することが示された。また、サイクリンA、BではRbの抑制が回復されないことから、サイクリンD3/Cdc2aによるRbのリン酸化が、RbによるE2Fの転写活性化の抑制からの回復に関与することが示唆された。

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] H.Nakagami, M.Sekine, H.Murakami, A.Shinmyo: "Tabacco retinoblastoma-related protein phosphorylated by a distinct cyclin-dependent kinase complex with Cdc2/cyclin D in vitro"Plant Journal. 18. 243-252 (1999)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] M.Sekine, M.Ito, K.Uemukai, Y.Maeda, H.Nakagami, A.Shinmyo: "Isolation and characterization of the E2F-like gene in plants"FEBS Letters. 460. 117-122 (1999)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] K.Ishikura, Y.Takaoka, K.Kato, M.Sekine, K.Yoshida, A.Shinmyo: "Expression of a foreign gene in Chlamydomonas reinhardtii chloroplast"Journal of Bioscience and Biotechnology. 87. 307-314 (1999)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 関根政実: "cAMPは植物で本当に働くの?"生物工学会誌. 77. 23 (1999)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] T.Shoji, K.Kato, M.Sekine, K.Yoshida, A.Shinmyo: "Two types of heat shock factors in cultured tobacco cells"Plant Cell Reports. 19. 414-420 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] S.Nagaya, K.Kato, M.Sekine, K.Yoshida, A.Shinmyo: "Isolation of growth-phase-specific promoters from cultured tobacco cells"Journal of Bioscience and Biotechnology. 89. 231-235 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] M-E.Chaboute, B.Clement, M.Sekine, G.Philipps, N.Chaubet-Gigot: "Cell cycle regulation of the tobacco ribonucleotide reductase small subunit gene is mediated by E2F-like elements"Plant Cell. 12. 1987-2000 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Sorrell, D.A. et al.: "Cell cycle regulation of cyclin-dependent kinases in tobacco cultivar Bright Yellow-2 cells"Plant Physiology. 128. 1214-1223 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 関根政実: "植物分子生理学入門"学会出版センター. 7 (1999)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 関根政実: "「G1/S移行期の制御機構」細胞工学別冊 植物細胞工学シリーズ13「植物細胞の分裂」"秀潤社. 10 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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