研究概要 |
イネ3量体Gタンパク質が制御する遺伝子群の解析 (1)野生型で発現し、d1で抑制される遺伝子を、サブトラクション法にて同定した。 1-1。Syntaxin,Sec61p alpha subunit,clathrin coat like protein,Rab-small G protein等が、野生型では発現し、d1で抑制される結果を得た。このことは、3量体Gタンパク質がタンパク質の輸送および分泌を担うコンポーネントの発現を支配していることを示している。細胞膜形成の不完全さは、矮性の説明になり得ると考えた。 1-2。Katanin p80 subunit,beta tubulin,t-complex alpha subunit等が、野生型で発現し、d1で抑制されていた。このことは、3量体Gタンパク質が、細胞骨格形成のコンポーネントの発現を制御していることを示した。細胞骨格の正しい方向性の歪みは、d1に見られる縦方向の異常の説明になり得るものと考えている。 1-3。その他、光応答性遺伝子、病気誘導性遺伝子、ジベレリン誘導性遺伝子などを同定した。 (2)第2葉鞘を用いジベレリン投与で変動する遺伝子を、マイクロアレイ法にて解析した。a)ジベレリンを投与後、野生型で発現増大し、b)ジベレリン投与によりd1では発現が変化せず、かつc)ジベレリン非存在下でd1に比べてd1QLで発現増大する、これら3つの条件を満たす遺伝子を多数同定したが、同定した遺伝子からは、3量体Gタンパク質の機能を推定するには至っていない。
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