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仏教聖典研究方法の再考――大乗という概念の問い直しを通して

研究課題

研究課題/領域番号 13018205
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関東京大学

研究代表者

下田 正弘  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50272448)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワード近代仏教学 / orality / 大乗涅槃経 / 生活世界 / 解釈学 / 聖典化 / 大乗 / イエス研究 / 聖書の高等批評 / 考古学
研究概要

大乗仏教の問い直しを通して,仏教研究方法の再考を掲げた本研究課題をまとめる年に当たり,今年度は将来の研究に発展させる目的も含め,以下の3つの視点から,新たな課題に取り組んだ.
(1)従来の大乗,小乗という仏教の区別の弊害は,聖典化という作業の意味を考慮しないことから生じていることについてはすでに昨年指摘したが,今年度は,その聖典化の作業に口伝と書写(ralityとliteracy)の文化のもつ相違を考慮すべきことを論じ,現在この視点を導入することによって仏教研究史が書き換えられえることを指摘した.
(2)近代仏教学が仏教の伝統をもたない西洋世界から生まれ,歴史的,批判的研究に偏ってきたため,過去の思想体系を明かすことに終始し,生活経験世界の中の仏教という視点を失って現在を相手とすることができなくなってしまった.この問題を解決するためには,解釈学的な態度を取り入れ,伝統内部から観察する視点を回復しなければならない.
(3)大乗涅槃経の教団を考察したとき,明らかに部派との連続性が伺えるが,しかし初期仏教経典と比べてみたとき,その発信の対象が異なっていることが明らかとなった.このため,初期仏教から大乗仏教へという発展の読み取りには,テクストの変化のみならず,そのテクストを成り立たせるコンテクストの変化を同時に考察せねばならない.

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 下田 正弘: "大乗涅槃経をめぐる歴史的状況:第一類「金剛身品」を中心として"櫻部建博士喜寿記念論集・初期仏教からアビダルマへ. 103-116 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 下田 正弘: "生活世界の復権:新たなる仏教学の地平へ"宗教研究. 333. 1-28 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 下田 正弘: "口頭伝承から見たインド仏教聖典研究についての覚え書き"印度哲学仏教学. 17. 30-45 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 下田 正弘: "未来に照らされる仏教:仏教学に与えられた課題"思想(岩波). 943. 206-222 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 下田 正弘: "初期仏教における暴力の問題:シュミットハウゼン教授の理解に対して"木村清孝博士還暦記念論集・東アジアの仏教思想の形成. 389-404 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] SHIMODA Masahiro: "Stupa Worship as Historical Background to Tathagagarbha Theory : As Suggested by Several Seemingly Irrelevant Texts"Buddhist and Indian Studies in Honor of Professor Sodo Mori. 247-258 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 下田正弘: "<近代仏教学>と<仏教>"佛教学セミナー. 73. 97-118 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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