研究課題/領域番号 |
13018208
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
末木 文美士 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90114511)
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研究分担者 |
杉本 一樹 宮内庁正倉院事務所, 保存課, 調査室長(研究職)
月本 雅幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (60143137)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 仏教 / 聖語蔵 / 写本 / 隋唐代 / 奈良時代 / 五月一日経 / 写経 / 大蔵経 / 正倉院 / 聖護蔵 / 訓点 / 一切経 / 天平写経 |
研究概要 |
正倉院聖語蔵の多数の仏教写本は、もともと東大寺尊勝院に伝えられてきたものが、明治26年に皇室に献納されたもので、多数の奈良朝写経や中国からの伝来写本を含むきわめて重要なコレクションである。従来未公開であったが、最近ようやくCD-Rによって刊行が始まり、外部者にもその研究が可能となってきた。現在のところ、第3期まで刊行され、中国から請来された隋・唐経、並びにいわゆる五月一日経と呼ばれる奈良朝写経のかなりの部分が刊行されている。最終的には、約10年かけて、その全体を刊行する予定である。 このような古代の貴重資料の研究に当たっては、一分野からの研究だけでは非常に偏った面しか見ることができないため、本研究では研究分担者はじめ、他の分野の専門家にも意見を徴し、できるだけ学際的な視点から研究を進めた。研究代表者は仏教学の立場から、分担者のうち、月本は国語学、杉本は日本史学の立場から研究を進めた。その研究は、ふたつの方向から進められた。ひとつは聖語蔵経巻そのものの研究であり、もうひとつは他の写本、刊本などとの比較研究である。今回、刊行された部分について対照を試みたところ、聖語蔵本は敦煌本などとの類似が著しく、他方、後の刊行された大蔵経とはかなり差があることがわかった。また、聖語蔵本は『大正新脩大蔵経』の校訂にも用いられているが、必ずしもその校訂がそのまま信じられるわけではないこともわかった。このように、かなり興味深い研究の進展があったが、中心となる五月一日経の刊行が途中であることもあり、なお今後に委ねられたところが大きい。
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