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チベット蔵外文献学説綱要書の視座より見たインド古典諸論書の思想の文献学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13018236
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関佛教大学

研究代表者

森山 清徹  佛教大学, 文学部, 教授 (70131307)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードチャパチョキセンゲ / 二諦説 / ツォンカパ / カマラシーラ / ldog pa / ダルマキールィ / 中観派 / 中観光明論 / ジュニャーナガルバ / ダルマキールティ / 自己認識 / 無知覚(anupalabdhi) / 相対否定 / 絶対否定
研究概要

チベット仏教カダン派チャパチョキセンゲ(1109-1169)の『東方自立中観三論書の千の薬用』(d Bu ma shar gsum gyi stong thun)の解読を通じインド、チベット大乗仏教思想形成の核心をなす二諦説、すなわち世俗的真理と究極的真理との相互関係を明らかにした。それは、プラマーナという整合性のある知識を世俗的レヴェルのものと究極的レヴェルのものに二分化し、それぞれにより把握される真理に対応している。二諦の相互関係は、同一な本質のものであるが、ldog paにより区別されると規定される。このことの意味は、同一の対象(壺)に対する認識者の認識レヴェルの相違により、すなわち世俗的レヴェルと究極的レヴェルにより把握される知識の区別により、作られたものと無常と把握することの相違がある。しかも、それは同一の壺に関する異なった二つの知識である。これが、チャパによって規定される二諦の相互関係である。このldog paの意味する同一なものにおける他方の排除による区別の設定は、インド仏教論理学派のダルマキールティのアポーハ論(他者の排除)によっている。この理論を導入して中観の理論を再構築するのはインド中観仏教のカマラシーラ(c.740-797)である。それは彼の『中観光明論』における一、多を欠いていることを論証因とする無自性論証の中で論じられ、またカマラシーラは、同書の中で、『解深密経』を典拠として二諦が同一である場合、別である場合の矛盾を挙げ、二諦は同一でもなく、別でもないと導くのである。チャパは、直接には以上のカマラシーラの見解をそのまま導入して、中観学説の解説として二諦説の関係を確定している。それは、ダルマキールティからカマラシーラヘという経緯を経てチャパに至り、さらにチベット仏教ゲルク派のツォンカパ(1357-1419)、ケードップジェ・ゲレクペルサンポ(1385-1438)、ジャンヤンシェパ(1648-1721)、ガワンパルデン(1797-?)らにも継承され二諦説の吟味の雛形となった。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 森山 清徹: "チャパチョキセンゲの二諦説-dBu ma shar gsum gyi stong thun 和訳研究(2)-"文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)「古典学の再構築」第1期公募研究論文集. 57-63 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 森山 清徹: "ジュニャーナガルバの中観学説の伝承とダルマキールティ-信仰形態としての<空と二諦説>の伝承-"日本佛教学会年年報. 67号. 41-54 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 森山 清徹: "シャーンタラクシタの中観思想の形成とシュバグプタ、シャーキャブッディ-自然界(原子、物質)と知識の峻別の根拠-"佛教大学総合研究所紀要. 10号. 5-25 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 森山 清徹: "チャパチョキセンゲの二諦説-dBu ma shar gsum gyi stong thun 和訳研究(3)-"文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)「古典学の再構築」第2期公募研究論文集. (印刷中). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 森山清徹: "カマラシーラの『中観光明論』とゲルク派の二諦説の解釈"石上善鷹教授古稀記念論文集 仏教文化の基調と展開. 第一巻. 63-86 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 森山清徹: "チャパチョキセンゲの二諦説-dBu ma sar gsum gyi ston thun和訳研究(1)-"香川孝雄博士古稀記念論集. 185-201 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 森山清徹: "チベット仏教、チャパチョキセンゲ及びゲルク派(dGe lugs pa)の二諦説の解釈"「古典学の再構築」(平成10年度〜平成14年度)第I期研究成果報告. 78-85 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 森山清徹: "カマラシーラの知識論と因果論の検証-デイグナーガ、ダルマキールティの見解の活用と批判-"印度学仏教学研究. 第50巻第1号. 189-195 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 森山清徹: "チャパチョキセンゲの二諦説-dBu ma sar gsum gyi ston thun和訳研究(2)-"「古典学の再構築」第I期公募研究論文集. 57-63 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 森山清徹: "カマシーラの自立論証としての無自性論証とダルマキールティの推理論 -madhyamakaloka和訳研究-"インドの文化と論理 戸崎宏正博士古稀記念論文集. 457-485 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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