• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

17世紀における二つの聖書批判のアプローチ:バルーフ・スプノザとリシャール・シモン

研究課題

研究課題/領域番号 13018239
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関大阪産業大学

研究代表者

手島 勲矢  大阪産業大学, 人間環境学部, 助教授 (80330140)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードユダヤ学 / 西洋古典 / 歴史批判 / 聖書注解 / ヘブライ語 / キリスト教 / 本文批評 / 物語の順序 / バルーフ・スピノザ / ヘブライ語文法 / 聖書解釈 / リシャール・シモン
研究概要

平成13年度から14年度にかけての2年間の研究で明らかになった事は、次の点である。1)ヘブライ語文法について、リシャール・シモンは、サアディア・ガオンに始まるキムヒ以前の伝統的なヘブライ語文法学者の存在を知っていたにもかかわらず、伝統的文法とキムヒ家の差異についてはほとんど実質的に知らない。つまり、スピノザのヘブライ語文法との比較においてそれは充分なグラウンドを持っていない。2)リシャール・シモンの、聖書形成の歴史に関する見方は、基本的にスピノザの議論への反論であり、そして、それは聖書本文批評の延長上にある。この点で、スピノザの視点とは異なる。つまり、スピノザは自然の立場から本文形成のプロセスを考えていたが、シモンは聖書に関する伝統の情報だけで考えた。その意味で、シモンの議論には革新的なアイデアはスピノザのそれに比べて乏しい。むしろ、聖書の物語の順序に関しては、伝統的なキリスト教の立場を反映して、失われたオリジナルの物語順序が最新の研究によって回復できると信じた。3)スピノザの革新的部分は、自然の中に啓示宗教の位置を確定する視点である。これは、当時の科学史の研究と関係がある。この点において、中世ユダヤ聖書注解者イブン・エズラとの比較は示唆に富んでいる。つまり、イブン・エズラにとって二つの可能性の間で逡巡する事が合理の証であったのに対して、スピノザはその二つの可能性を一つに絞り込ませるものが合理の働きであるとした。歴史批判の起源とされるスピノザとイブン・エズラの注解アプローチは、根底で一つではない。これら観察の歴史的意味は、イスラエル古典学の歴史の再構築の中で定められるべきものである。それについては、総括班報告書の中で、歴史再構築の3つのメルクマールとして論じたので参照されたい。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 手島 勲矢: "1 神教の考察-「推論」は「事実」にあらず-Y.カウフマンのヴェルハウゼン批判から"新書館『大航海』. 44号. 150-157 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢: "パラドックスとしての人間環境学-宗教的視座のゆくえ-"大阪産業大学学会、「人間環境論集』. 第1号. 31-43 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢: "一神教と多神教"『宗教研究』(日本宗教学会). 第75巻329号. 57-58 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢: "異界に堕ちたラビ-エリシャ・ベン・アブヤの背教"岩波書店『文学』. 11・12月号. 8-16 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢: "ハシディズム理解を巡って-ショーレム対ブーバー"『宗教研究』(日本宗教学会). 第74巻. 146-160 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢 (編者): "わかるユダヤ学"日本実業出版社. 1-364 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢: "異界に堕ちたラビ-エリシャ・ベン・アブヤの背教"隔月刊『文学』(岩波書店). 第2巻第6号. 44-51 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 手島 勲矢: "カバラー、メルカバー・ヘイハロット文学とグノーシス主義"大貫隆・島薗進・村上陽一郎編『グノーシス陰の精神史』岩波書店. 15 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

URL: 

公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi