研究課題/領域番号 |
13018241
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
朴 一功 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (50238242)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 魂 / 死 / 不死 / 私 / 人格 / 同一性 / エロース / 出産 / 倫理 / 徳 / 技術 / 知識 / 誤用 / 善 / 願望 |
研究概要 |
1.本研究は「倫理思想の再検討」を課題としているが、平成13〜14年度にA04班(「古典の世界像」班)は、共通の研究テーマとして「魂」を設定した。「魂」の問題は、行為主体のあり方という倫理におけるきわめて重要な問題と密接に関連しているので、本研究も「魂」の問題を優先することにした。研究の対象とした中心テクストはプラトンの「饗宴』である。従来この作品はプラトンの欲求理論やイデア論との関連で取り上げられることが多かったが、本研究は、魂不死の問題と関連づけ、その問題が前提としている魂の個体性の概念に着目して、プラトンの魂論においてほとんどかえりみられることのなかった局面、すなわち<私>の同一性(人格の同一性)の問題に照明をあてた。「饗宴』は魂の懐妊・出産をモチーフにしながら人間の不死性の問題を追求しており、時間を通じて変転する<私>の魂と身体の諸状態に、正当にも同一性を認めてはいない(認められるのはせいぜい連続性である)。この帰結は、<私>という言葉によって指示されるものを「意識」に定位させる試み(近・現代の人格概念の特質)に留保をつけるばかりではなく、<私>を心身の諸活動の総体として捉えることを促す点で大きな意義をもつ。この研究成果は、平成14年12月のA04班の研究会で「プラトンにおける不死性」と題して報告された。 2.アリストテレス「ニコマコス倫理学」の翻訳、注、解説の作業をすべて完了した(京都大学学術出版会『西洋古典叢書』第二期の一冊として、平成14年7月に刊行された)。
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