研究概要 |
(1)サンクトペテルブルグにおけるロウ管音声資料からの音声再生作業への協力 本テーマに関し,平成15年1月12日より1月21日まで,海外研究協力者T.de Graaf氏の協力を得て,サンクトペテルブルグ大学ロウ管研究所,音声学研究所において第2次調査を行った.今回は光学的再生装置を持ち込み,非破壊による再生が可能であることを現地スタッフに示して協力を依頼したが,結局現地では,ドキュメント(保存資料の明細書類)により樺太アイヌ語が記録されたロウ管の保管を確認するにとどまり,保管状況の問題から,ロウ管そのものの現物確認はできず,今後に課題を残した. (2)樺太アイヌ語音声資料の整理とデジタルアーカイブ化.継続 本テーマに関し,研究協力者村崎恭子氏が所持する樺太アイヌ語(第2次大戦後,北海道へ移住した樺太アイヌからの聞き取り資料)について,オープンリールのアナログテープからのデジタルデータ化を行った.DATで30本以上となったが,テープ劣化による資料消滅の危険を逃れることができた.今年度は資金的制約からアーカイブ作成までは至らなかった.今後の課題として,テープからの活字資料化,これをもとにしたアーカイブ作成,データ処理による音質向上,などの研究が残されている.
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