研究課題/領域番号 |
13020204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
張 浦華 筑波大学, 芸術学系, 講師 (00302399)
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研究分担者 |
吉江 森男 筑波大学, 教育学系, 助教授 (30133044)
岡崎 章 筑波大学, 芸術学系, 講師 (40244975)
原田 昭 筑波大学, 芸術学系, 教授 (70114121)
平沢 一紘 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (90114123)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アシストツール / リアルタイム評価 / 授業補完 / 感性的評価 / 論理的評価 |
研究概要 |
この研究は、リアルタイムアシストツ-ルによる授業補元の一環として、研究指導補完のための「プレゼンテーション評価ツール」の有用性について検証するものである。2001年に実施したサマーゼミナールの際、学生11人の研究発表に対して実験を行った。サマーゼミナール参加者全員はコンピュータを持ち込みLANによって相互接続を行った。発表者の発表はリアルタイム評価ツールにより聴講者により評価され、評価結果はサーバコンピュータにより瞬時に集計され、集計結果を教師と発表者用提示モニタにリアルタイムで提示されるシステムとした。評価ツールはリアルタイムで行う「アイテム評価」、「感覚評価」、と「アンケート評価」の3つの評価方法を用いた。「アイテム評価」は発表者のプレゼンテーション、研究方法、研究内容、努力度、総合評価等のアイテムについて21のカテゴリに対して採点を行うものであり、「感覚評価」は発表に対する感覚を時間軸に沿って評価するものである。実験より下記の結果が得られた。1)他人の研究に対しての集中力と関心が高まった。他人の発表に全員がリアルタイム評価者として参加することにより、発表者は評価されていることを意識し、評価する側と評価される側に適度の緊張感を生み出し、結果的に「積極的に参加できた」、「他人の研究を評価することで集中した注意を払うことが出来た」ことがアンケ-トの結果示された。2)学習効果を高めることができた。評価ツールには研究方法、研究内容、及びプレゼンテーションに対しての具体的な評価項目を設定しており、評価項目に沿って評価することにより研究の方法や、論文の評価基準などを学習することができる。また、アンケートにも「他人の研究を評価することで研究の方法、評価基準などが勉強になった」ことが示された。3)プレゼンテーション能力を高めることができた。発表する際に、評価状況をディスプレイによりリアルタイムで客観的に発表者に提示することにより、発表者はコンテンツの変更や、説明の水準等について調整することを可能とした。普段の学生間の発表等は、この様なツールを使うことにより、プレゼンテーションの能力を予行的にトレーニングし、正式な発表へ向けての訓練とすることができる。4)研究に対して自信を確認する事ができた。研究テーマの着眼点や、研究としての発展性など、学生の場合は多くの不安を持っていることが今回の調査からわかった。アンケートから「自分の研究、論文に対して他人はどのように評価するか」が最も知りたい。リアルタイム評価することによって「多くの人の意見を同時に伺うことができる」、「リアルタイムで評価を知ることにより、客観的な批評を知ることが出来た」、「自分に対する評価をリアルタイムで知ることが出来て良かった」、「聞いている自分自身を客観的に見ることができた」のような意見があった。「アイテム評価」と感覚評価」の結果から論理的評価結果と感性的評価結果を得ることができ、二つの評価データを照合することにより、時系列的に発表者の特徴を探る事が可能になった。この実験により対面教育に於けるネットワーク技術の利用可能性を検証することができた。
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