研究課題
特定領域研究
朱版一切経の「修」に認められる日本人僧「慶政」を軸に、版刻史上の問題点を具体的に解明した。平成13年度から15年度までに慶政上人の「修」板への関与の時期を解明し終えたが、同じく「修」板への関与が認められる日本人僧「了行」「意教」の、おおよその解明も平成15年度には終えている。16年度は舶載現存東禅寺版一切経の各セットの刷印時期の先後関係、さらに東禅寺版・開元寺版との刷印・製本時の交渉を予想させる好個の「実物例」となるものであるが、いわゆる「混合帖」の「実例」の発見確認・調査整理を中心に研究を行った。とくに14年度より継続中の愛知県の祖父江町の本源寺の蔵する宋版一切経の悉皆調査(調書とり)を完了し、記録し終えたことは大きな成果であった。16年度第一回(7月30日から8月2日)・第二回(12月17日から20日)の両度の調査によって、495帖の調書とりを終え、2108帖に及ぶ全帖調査が完了したことになる。その結果、次の諸点が解明された。1、本源寺蔵一切経中の東禅寺版には、開元寺版の一板分の流用した例が少なくないこと。2、東寺蔵一切経中の東禅寺版にも、開元寺版の一板分の流用した可能性の高いものがみつかったこと。3、東寺蔵一切経本東禅寺版と本源寺蔵一切経本東禅寺版の刷印時期の先後の関係に関しては、東寺蔵宋版一切経の内の東禅寺版の刷印時期は、本源寺蔵宋版一切経の内の東禅寺版の刷印時期に先行する可能性が頗る高いこと。などである。併行して行っている醍醐寺蔵宋版一切経調査によって、江蘇版刻史上、極めて有益な版刻資料を発見確認し、紹介を終えた。
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ナオ・デ・ラ・チーナ 8号
ページ: 64-66
Nao de la China vol.8
ナオ・デ・ラ・チーナ 6号
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にわたずみ(二玄社)
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ページ: 26-40
110001219619
Nao de la China vol.6
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NIWATAZUMI
Jissen Kokubungaku vol.66