研究課題/領域番号 |
13022205
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
濱田 文男 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (40156401)
|
研究分担者 |
成田 美雪 秋田大学, 工学資源学部, 教務職員 (60172590)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | シクロデキストリン / キャビタンド / チアカリックスアレン / 超分子 / 蛍光性ホスト / 熱ショック蛋白質 / ピレン / トシル / DNA / 分子認識能 / シクロデキストリンダイマー / 蛍光 / 結合定数 |
研究概要 |
1、環状構造を有するホストーシクロデキストリンの高次機能化を分子センシングの立場から検討した。その結果、1)ダンシル修飾β、γ-シクロデキストリンダイマーの合成に成功した。本ホスト分子は胆汁酸、テルペン類のゲストに対して特にβ-シクロデキストリン誘導体で高い応答を示した。これはダンシル基が空孔径の小さいβ-シクロデキストリン誘導体では空孔内自己包接が容易でなくゲスト包接に伴い空孔外へと容易に放出されるためと推定した。2)ピレン基、トシル基の二つの異なる修飾基をそれぞれシクロデキストリン上縁部、下縁部に導入した新規γ-シクロデキストリンの合成に成功した。あわせて本ホストの分子認識について検討した。本ホストの修飾位置についてはX-線回折用の単結晶の作成等により決定する予定である。 3)その他、2種類の新規シクロデキストリン誘導体の合成に成功し、その分子認識を検討した。 2、ベンゼン系大環状ホストの新規合成およびその固体化学挙動について新知見を得た。すなわち、1)ピレン修飾キャビタンドの合成に成功した。本ホストはメタルセンサーとしての機能を示した。2)チアカリックスアレンの部分あるいは完全脱tert-ブチル化に成功し、それぞれの結晶構造をX-線解析により明らかにした。残存するtert-ブチル基がリンカーとなり相手側の空孔に包接されダイマー構造を形成している興味ある知見を得た。 3、熱ショック蛋白質の生化学的挙動あるいは生化学的性質に新たな知見を得た。すなわち、1)ミトコンドリア移行シグナルを持ったヒト熱ショック蛋白質(HSP60)はATP存在下で脱水とともにミトコンドリアに移行することを明らかにした。2)105KDa分子量の分子シャペロン(HSP105)の精製と存在部位等生化学的あらたな知見を報告した。 4、チアカリックスアレンーK(Potassium)単結晶構造を報告した。Kを介した自己集合、自己組織化による多孔性のチャネル構造の存在を報告し、チャネル内には一分子ホスト当たり4個のKと14のメタノールが包接されているという興味ある知見を得た。今後、以上の知見をもとに新規ホストと生体成分とくに蛋白質との親和性、生化学的応答について検討する予定である。
|