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肝・腎トランスポーターによる機能分担と活性調節に関する分子シンクロナイゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 13022209
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京大学

研究代表者

楠原 洋之  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00302612)

研究分担者 鈴木 洋史  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
杉山 雄一  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80090471)
研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードシンクロナイゼーション / 有機アニオントランスポーター / 尿細管分泌 / 血液脳脊髄液関門 / ベクトル輸送 / Oat3 / Oatp3 / RST / 性差 / 再呼吸 / 薬物速度論 / プロドラッグ / Oatp1
研究概要

1.肝・腎ふりわけのシンクロナイゼーション
肝取り込みに働く有機アニオントランスポータ-(Oatp/OATP)の基質となるtemocaprilatやステロイドの硫酸抱合体やグルクロン酸抱合体は主に、Oat3により腎臓中へと取り込まれることが明らかになり、腎臓においてもamphipathicな有機アニオンの取り込みメカニズムが存在することが明らかとした。同じく側底膜側に局在するOat1は水溶性の低分子有機アニオンの種とした腎取り込みに関わることを明らかにした。排泄臓器の振り分けは、排泄・再吸収により決定されることが示唆された。尿細管を介した排泄は一部後述するRSTにより説明できると考えている。Oct1ノックアウトマウスを用いた解析から、metforminの薬効・副作用標的組織として重要であると考えられている肝取り込みは、Oct1により説明されることを明らかとした。
2.異物排泄のシンクロナイゼーション
脈絡叢上皮細胞の刷子縁膜にOatp3が発現し、ステロイドのグルクロン酸抱合体や胆汁酸など脂溶性の高い有機アニオンの、脳脊髄液中から脈絡叢内への取り込み過程に働いていることを見いだした。その基質選択性は、肝臓に発現しているOatp1と類似していた。水溶性の有機アニオンを輸送するOat3も同じく脈絡叢の刷子縁膜側に局在している。抗生物質の脳脊髄液中からの排泄について、同じく抗生物質を基質とするペプチドトランスポーター(PEPT2)との寄与率を評価した。cefaclorとcefalexinは構造が非常によく似ているものの(1官能基が異なるのみ)、脳脊髄液からの消失速度には顕著な違いが観察され、cefaclorの消失の方が早かった。阻害実験を行うと両化合物で、主として排泄に関与しているトランスポーターが異なっており、cefaclorはbenzylpenicillin感受性の、cefalexinはglysylsarcosine感受性のトランスポーターにより排泄されることが明らかになった。
3.取り込み・排泄過程のシンクロナイゼーションの解析
1ならびに2で解析した取り込みトランスポーターに対応する排泄側の分子として、Renal Specific Transporterに着目した。HEK293細胞を宿主細胞として安定発現系を作製し、輸送実験を行ったところ、膜電位に依存したp-aminohippurateの輸送活性を示し、生理的な条件下では俳泄側に働いていることが示唆された。近位尿細管の刷子縁膜への局在も、これを示唆している。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Wang DS et al.: "Involvement of organic cation transporter 1 in hepatic and intestinal distribution of metformin"J. Pharmacol. Exp. Ther.. 302. 510-515 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Kato Y.et al.: "Gender difference in the urinary excretion of organic anions in rats"J. Pharmacol. Exp. Ther.. 302. 483-489 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Kusuhara H, et al.: "Expression and functional involvement of organic anion transporting polypeptide subtype 3 (Slc2la7) in rat choroid plexus"Pharm Res. (in press).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 松島総一郎 他: "ヒトOATP2とMRP2を同時発現させたダブルトランスフェクタントの評価 -肝臓におけるcerivastatinの経細胞輸送特性の定量的評価に向けて"薬理と治療. 30. S441-S444 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 楠原洋之 他: "ビグアナイド系化合物により惹起される乳酸アシドーシスへの有機カチオントランスポーター(Oct1)の関与"薬理と治療. 30. S437-S439 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 前田和哉, 杉山雄一: "ヒト有機アニオントランスポーターOATP2, OATP8の比較解析"薬理と治療. 30. S417-S420 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] M.Hasegawa et al.: "Functional Involvement of Rat Organic Anion Transporter 3 (rOat3 ; Slc22a8) in the Renal Uptake of Organic Anions"J.Pharmacol.Exp.Ther.. 300(3). 746-753 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Tsukamoto et al.: "Physiologically based pharmacokinetic analysis of capecitabie, a triple prodrug of 5-Fu, in humans : the mechanism for tumor-selective accumulation of 5-Fu"Pharm.Res.. 18(8). 1190-1202 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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