研究課題/領域番号 |
13022232
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
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研究分担者 |
保原 大介 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303864)
山本 雅博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60182648)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 電気化学的不安定性 / 不安定性 / 安定性 / 液液界面 / イオン性界面活性剤 / 界面電位差 / マランゴニ効果 / 自発的乳化 / W / Oエマルション / AOT / 化学発光 / ルミノール / ペルキシダーゼ / なだれ型融合 |
研究概要 |
当初の目的に掲げた信号増幅システムに関しては、昨年に発表したように、そのプロトタイプを作ることが出来た。今年度は、この研究の過程で見いだした興味深い界面現象である「帯電した液液界面の電気化学的不安定性」に重点を置いて研究した。 水と油などの二相間の界面が熱力学的に安定に存在するためには、界面張力の界面電位差についての二次微分は負でなければならない。 これは、界面の持つ電気容量が正でなければならないことを意味する。通常の液液界面ではこの条件は満たされているが、イオン性界面活性剤など、界面に電位依存的に吸着するイオンが系に存在すると、この条件が満たされなくなることがある。これは、吸着と分配がともに電位依存的に起きることによる。これが界面の電気化学的不安定性である。この不安定性は、1.界面電位差のある範囲で窓上に存在する、2.界面張力が正であるにもかかわらず不安定になる、3.不安定領域は常に、そのイオンが持つ標準イオン移動電位付近に存在する、などの特徴を有する。末端に親水基としてSO_3^-あるいはSO_4^-を持つ一連の脂肪族アニオン性界面活性剤および、アルキルアンモニウムイオンやイミダゾリウムイオンなどのカチオン性界面活性剤について、理論的予測を裏付ける実験結果を得た。界面のビデオ画像から、電流の乱れは界面付近の溶液の攪拌と対応しており、また、エマルション生成が認められた。このことは、不安定電位領域では、マランゴニ効果による機械的運動とエマルション生成による界面の消滅が起きている。 界面の電気化学的不安定性は、界面は自立的な相とは見なし得ないものの、2成分液体の相分離などの相転移と本質的に同一な相転移の一種であると考えることができ、電気化学的安定-不安定の転移は、電気化学的界面転移、界面消滅転移と呼ぶこともできよう。
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