研究課題/領域番号 |
13022240
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
湯通堂 満寿男 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)
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研究分担者 |
中西 真人 産業技術総合研究所, ジーンファンクション研究ラボ, 主任研究員 (10172355)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 核移行シグナル / 核膜孔 / ラムダファージ / importin / DNA / 高分子ポリマー / マイクロインジェクション / 細胞内輸送 / 核移行 / ファージ / in vitro system / 能動輸送 |
研究概要 |
我々は、高分子ポリマー・DNA複合体(Polyplex)のモデルとして粒子表面にさまざまなペプチドを呈示できる組換えラムダファージ(直径55nm)を選び、SV40のT抗原由来の32merの核移行シグナル(SVLT32)を表面に発現しているファージ粒子が核膜孔を介して核内に輸送される現象を見いだした(Akuta, et al.2002)。本年度は、この成果を基に、ファージ粒子のような巨大分子を核に輸送するために必要な核移行シグナルの構造を解析した。具体的には、さまざまな変異核移行シグナルを作成し、それぞれを表面に発現させたファージ粒子を精製して、マイクロインジェクション後の細胞内の挙動とimportin alphaとの結合活性を調べた。細胞内の挙動は核分画から回収されるファージ粒子の数(大腸菌への感染価)を指標に用いた。また大腸菌で作った組換えimportin alphaを使った沈降アッセイにより結合を測定した。 その結果、組換えファージが核に輸送される活性はimportinとの結合活性と完全に一致すること、またSVLT32のminimum NLS以外の部分をすべて他のアミノ酸と置き換えても核への輸送活性は保たれることが明らかになった。さらに、importinがminimum NLSと結合するためにはminimum NLSからC末端側のアミノ酸が13残基あることが必要であることがわかり、C末端側はファージ粒子の表面とminimum NLSの間の支柱(stem)の役割を果たしていることが明らかになった。またN末端をさまざまなTag配列で置き換えた変異体の中にはimportinとの結合活性を失っているものがあった。このことから、N末端の配列はimportinとminimum NLSの結合を妨げない構造であることが重要であると考えられた。
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