研究課題/領域番号 |
13022252
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 特殊法人理化学研究所 (2002) 九州大学 (2001) |
研究代表者 |
前田 瑞夫 理化学研究所, バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
|
研究分担者 |
村田 正治 九州大学, 工学研究院, 助手 (30304744)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 遺伝子発現制御 / 遺伝子治療 / アンチセンス / オリゴヌクレオチド / DNA複合体 / poly(N-isopropylacrylamide) / 遺伝子診断 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / DNAコンジュゲート |
研究概要 |
遺伝子DNAと刺激応答性高分子の複合化により、遺伝子の持つ情報を人工的に制御・利用することを目的として研究を行った。昨年度までにアンチセンス活性を持つオリゴヌクレオチド(ODN)と温度応答性ポリマーpoly(N-isopropylacrylamide)(polyNIPAAm)のグラフト型複合体の合成に成功し、これを用いて細胞抽出液からの転写・翻訳システムの制御が可能であることを明らかにしている。本年度は、この複合体のアンチセンス機構を明らかにする目的で、アンチセンスODNの分子認識能について詳細に検討した。具体的には目的配列を含むRNAに対し、0.5,1,2,4等量のアンチセンス複合体を加え、ここでRNA/DNAハイブリッドをつくらなかったRNA(free RNA)をマイクロチップゲル電気泳動装置で定量することにより、アンチセンスODNの結合能力を評価した。その結果、25℃においては1等量加えた時点で既にfree RNAはほとんど存在せず(ca.10%)、アンチセンス複合体の標的配列捕捉能力が十分に高いことが示された。これに対し、ランダム配列の複合体を用いた場合には、4等量加えた後でも、これに対する標的RNAの結合はほとんど観察されなかった。一方、37℃での同じ実験では、アンチセンス配列の場合もスクランブル配列の場合も、標的RNAの捕捉はほとんど観察されなかった。37℃ではpolyNIPAAm鎖が温度相転移を起こし、グロビュール状態へとそのコンホメーションを変化させているため、アンチセンスODNの標的RNAへの結合が阻害されたものと考えられる。以上の結果から、本研究で合成した情報応答性DNA複合体は、外部情報に応じて標的への結合能力を変化させ、これをもって遺伝子情報の発現を制御しうることが強く示唆された。
|