研究課題/領域番号 |
13022266
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
長原 光 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50172549)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | アノイキス / PVLA / シンクロナイゼーション / 細胞内情報伝達 / アポトーシス / 肝細胞 / 細胞培養 / 分子シンクロナイゼーション |
研究概要 |
肝細胞を始めとする上皮細胞の増殖は、細胞表面と細胞外基質との接着によって制御されており、通常正常細胞は接着喪失によって死に至る。これはアノイキスとよばれる現象であり、細胞が癌化すると見られなくなる。ファイブロネクチン/インテグリンを介した接着システム以外のPVLAなどの人工的な接着によっても、アノイキスが回避されることを我々は既に示してきたが、さらにアノイキスの分子機構を解明するためFas/FasL分子の動態を検討した。ラット肝細胞由来の細胞とラット小腸上皮由来の細胞を使用して実験を行ったところ、いずれの細胞においても細胞を浮遊させ接着を喪失させるとアノイキスが観察された。このときFasの発現は接着の有無によっても変化がなかったが、FasLの発現は接着により抑制され接着喪失により誘導されることが判明した。さらに抗FasL抗体を培地中に添加するとアノイキスは抑制された。これは細胞接着がFas/FasLシステムにより制御されていることを示している。またこのFasL発現の抑制はPVLAなどの人工的接着システムによっても認められた。従って、アノイキスを制御するFasLの発現は非特異的接着によっても制御を受けることが明らかになった。これは非特異的接着も何らかの細胞シグナルを誘導していることを示唆しており、細胞接着の本質を考察する上で重要な知見であると思われる。我々はこれを押し進めて、細胞接着が細胞骨格の変化に依存しているのではないかと推測しfilamentous actinの重合を阻害するアクチノマイシンDを添加する実験を行った。このときアノイキスのときと同様にFasLの誘導と細胞死が観察された。従って接着の本質はfilamentous actinを介したシンクロナイズして生ずるFasLの発現にあると予想される。
|