研究概要 |
パルス周波数変調方式(PFM)はアナログ出力をパルス周波数に変換する方式であり,神経節における出力方式として用いられている.我々はこれまでPFM方式の画素回路を試作し,その基本特性の検証を行ってきた.PFM方式ビジョンチップの低電圧駆動時の動作を詳細に検討した.低電圧下では光電流と充電電流が拮抗するため充電時間が長くなり,その結果パルス幅が広がり,これがパルス出力特性を劣化させていることが分かった. また128×128画素PFMアレイチップを試作し,撮像による基本特性を確認した.PFMは非同期動作が可能なため個々の画素は独立して動作する.従って本センセは通常と異なり走査用のスキャナが不要であり,代わりに外部からの任意画素アクセスを可能とするデコーダを搭載している.消費電力は画素当り約7μWであった. 更に出力周波数範囲を限定しつつ入力光範囲を拡大する感度可変方式について提案し,基本特性の実証を行った.オリジナルで6桁の入力光範囲を周波数大域制限をかけることで2桁に減少するが,感度可変機能を導入することでトータルとして5桁程度の入力光範囲を確保できた.またPFM出力を可視化するためのデモ装置を試作した.チップは32x32画素であり,その出力を32x32画素を有するLEDディスプレイ上にリアルタイムで表示することに成功した.
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