研究概要 |
自己タイミング型パイプライン機構を徹底的に採用した超高速ネットワーク・プロセッサへの応用に向けて検討を進め,以下の研究成果が得られた。次世代の超高速パケットルータには,超高速パケット転送能力のみならず,新しいプロトコルや高度なサービス機能を柔軟に導入できる能力,および,トラフィックに応じて電力を消費する能力を有していることが要求される。自己タイミング・パイプライン機構によるデータ駆動アーキテクチャは,高機能で複雑化する処理を柔軟なプラグラマブル・ハードウェア機構上で超並列パイプライン処理として実現できるのみならず,極省電力のメカニズムを原理的に内在しているため,次世代超高速パケットルータに搭載可能なネットワーク・プロセッサに要請される多様な要件を満たす有力な方式である。 (a)高速パケット分類方式 超高速パケットルータ実現上のボトルネックの一つである,IPパケット分類処理をパイプライン並列に実現する方式を提案し,10万エントリ以上の大規模な分類ルールセットを対象にしても約12MIPパケット/秒で入力パケットを高速に分類できることを確認した。 (b)Diffserv向き優先キューイング制御方式 自己タイミング型パイプラインのデータ転送制御の局所性を活用して,Diffservにおける優先キューイング機構を提案し,LSI試作した結果,100Mパケット/秒の性能を確認した。
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