研究課題/領域番号 |
13024211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古山 種俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20089808)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 糖坦体リピド / ウンデカプレニル二リン酸 / フリップ-フロップ転移 / プレニル鎖延長酵素 / 細胞壁生合成 / ファルネシルニリン酸 |
研究概要 |
細菌の細胞壁ペプチドグリカン層の生合成は脂質中間体Lipid IIにおけるオリゴ糖鎖のコア構造が細胞質内で構築され、糖坦体リピド、ウンデカプレニルリン酸と結合したものが細胞内膜側から外膜側へ「フリップ-フロップ転移」されて、細胞表面でのペプチドグリカン層生合成に供給される。この酵素の実態を解明するために、われわれはこの過程に関与する糖坦体リピド、ウンデカプレニルリン酸の前駆体を合成する酵素、ウンデカプレニルニリン酸合成酵素(UPS)をシス型プレニル鎖延長酵素として初めてクローン化し、そのX線結晶構造解析に成功しているので、UPSの大量発現系を利用することで、標的酵素「フリッパーゼ」の基質合成を行って、細菌の細胞壁生合成における未解明な過程の触媒である「フリッパーゼ」の実態を解明し、その分子レベルでの解明の糸口を見出すことを本研究の目的とした。 先ず、UPSの大量発現系を利用して得たUPSを用いてウンデカプレニルニリン酸の大量合成系を確立し、UDP-MurNAc-pentapeptideをBacillus cereusの培養液から抽出し、Phospho-MurNAc-pentapeptide transferase(MraY)の発現系を構築して、Lipid Iの酵素的合成浩の確立を試みたが、大量合成法は構築できなかった。 そこで、ウンデカプレニルリン酸のリン酸基にアミノエチル基がジエステル結合した化合物を合成し、このアミノ基に蛍光発色団としてNBD(7-nitrobenz-2-oxa-1,3-diazol-4-yl)基を導入した化合物(1)を合成した。さらに(1)のプレニル基をファルネシル基、またはゲラニルゲラニル基に置換した化合物も合成し、ウンデカプレニルリン酸が細胞膜の外膜から内膜へフリップ-フロップ転移により回収される過程を追究することにした。 現在、合成した化合物(1)を大腸菌野生株VV3110株より調整した細胞膜成分に効率よく導入する方法を検討中である。
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