研究課題/領域番号 |
13024268
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松本 緑 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00211574)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 先体反応 / cGMP / グアニル酸シクラーゼ / 精子活性 / フォスフォジエステラーゼ / プロテインホスファター / キヒトデ / 脱リン酸化 / 精子活性化ペプチド / 先体反応誘起物質 |
研究概要 |
卵と精子が接近すると、精子は運動性が上昇し、卵外被に反応して先体反応を行う。ヒトデの先体反応を誘起する卵側のシグナル物質は卵ゼリー中の3成分(ARIS、Co-ARIS、asterosap)である。正常海水中ではARISとCo-ARIS、またはARISとasterosapが必要である。あらかじめARISまたはasterosapのみを処理した精子に卵ゼリーを処理しても、先体反応の誘起できないので、これを我々は先体反応"前処理効果"と呼び、受容体の不活化によると考えている。 asterosapによる精子細胞内cGMP量変化を測定したところ、添加後150msecをピークに、通常時の約37倍にも上昇した。また、精子細胞中のcGMPの濃度をcaged cGMPにより強制的に上昇させると、1秒以内に細胞内のCa^<2+>濃度が上昇したことから、asterosapによるcGMPの上昇はCa^<2+>濃度をも誘導することが示された。さらに、先体反応と同様にasterosapによるcGMPの上昇にも"前処理効果"が起こることがわかった。 asterosap処理後、asterosap受容体の分子量の変化が確認され、これが、先体反応や細胞内cGMP上昇の"前処理効果"と同様なasterosap濃度域で起こること、また、プロテインホスファターゼ阻害剤のオカダ酸により分子量変化を抑えることから、asterosap受容体は脱リン酸化により不活化されると考えられる。 フォスフォジエステラーゼ(PDE)阻害剤による先体反応"前処理効果"への影響を調べたところ、PDE全般に阻害能を持つIBMXとcGMP特異的PDEに阻害能をもつzaprinastで先体反応"前処理効果"が解除されたことから、精子細胞中のcGMPを高濃度に維持することがARIS及びasterosapによる先体反応能維持に重要な役割を示すと考えられる。
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