研究概要 |
本研究では、超短光パルスによるシリカガラス中の光誘起屈折率変化を用いて,3次元的光信号網を作製し,高密度3次元光信号網の実用性の検討を行う予定であった。以下に実績を示す。 自己束縛フィラメントによるガラス内部での屈折率変化の誘起 フェムト秒レーザーパルスを,低い開口数をもつレンズによりガラス内部へ集光照射すると,自己集束と回折の効果が釣り合った部分に,自己束縛フィラメントが形成され,誘起される永続的屈折率変化の形状は入射パルスの偏光に依存することがわかった。現在論文投稿準備中である。 方向性結合器の作製 フィラメント形成領域を走査することにより,導波路を作製することができる。フィラメント形成領域を2次元に走査することによりY字型方向性結合器を作製した。成果は学会,国際会議にて発表した。 ビームプロファイルによるボイドの形状変化と偏光依存性 フェムト秒レーザーパルスのビームプロファイルを制御することにより,ボイドの形状が変化することを確認した。また,2次元ボイドアレイを書き込み,その回折光強度が読み出し光の偏光方向に依存することを見出した。現在論文投稿準備中である。 マイクロ3次元ホールドリリング フェムト秒レーザーの集光照射により,後面を蒸留水に接触させたシリカガラス内部に3次元マイクロホール構造の作製した。直径4μm長さ200μm以上の高いアスペクト比をもつホールを作製した。結果は論文に掲載された。 二光束干渉によるガラス内部へのホログラフィック回折格子の作製 フェムト秒レーザーの2光束干渉によりソーダガラス内部の任意の位置に2光束干渉による回折格子を作製した。結果は論文掲載済みである。
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