研究課題/領域番号 |
13027208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡村 直道 筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30134224)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ダイオキシン / 精巣上体 / 精子成熟 / ラクトフェリン |
研究概要 |
成体雄マウスへのダイオキシン投与によって精巣上体の機能が乱されていることが判明した。すなわち、5,20μg/kgのダイオキシンの経口投与によって、精巣、精巣上体とも組織学的には顕著な変化は認められない。しかし、精巣上体での発現がエストロゲンによって調節されていることが知られているラクトフェリンのmRNA量が低下することが明らかとなった。ラクトフェリンは成熟過程の精子表層に結合して、精巣上体内での酸化的傷害から精子を保護していると考えられており、ラクトフェリン分泌量の低下が精子の受精活性の低下を引き起こしている可能性が考えられた。 また、ダイオキシン投与マウスにおいて、精巣上体から分泌される16kDaコレステロ-ル結合タンパク質(ChBP)の発現が低下していること、精巣上体尾部の精子の遊離コレステロ-ル含量が、非投与マウスに比べて高くなっていることが明らかとなった。精子成熟に伴って、精子表層のコレステローイレ含量が低下することが知られている。16kDaChBPは、精子細胞膜から遊離コレステロールを抜き取る活性を持っており、成熟に伴う精子表層のコレステロール含量の低下を直接担っていると考えられる。この結果も、ダイオキシンが精子の成熟過程を乱すことによって受精活性に影響を及ぼしている可能性を示唆していると言える。さらに、輸卵管における精子のcapacitationの際にも、精子のコレステロール含量の低下が、重要な現象として注目されている。ChBPは、輸卵管でも発現が認められ、精子のcapacitationへの関与が示唆されており、ダイオキシンの成体雌の生殖器官の機能に対する影響も予想される。今後の解析が必要である。
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