研究課題/領域番号 |
13027218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長沢 寛道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60134508)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / オカダンゴムシ / 造雄腺ホルモン / 4-ノニルフェノール / フタル酸ジエチル / エストラジオール-17β / スチルベストロール / 脱皮 |
研究概要 |
無脊椎動物に対する内分泌撹乱物質の影響は現象的にはっきりしている例は報告があるが、甲殻類に対する影響は調べられていない。これまでに、甲殻類の生殖系を支配しているホルモンとして唯一オカダンゴムシで造雄腺ホルモンが同定されており、この動物において雌の指標として卵黄タンパク質が部分的ではあるが、同定されていることから、この動物種を用いて内分泌撹乱物質の影響を調べた。まず、野外から採集したオカダンゴムシを実験室内で飼育することから開始したが、野外では高温短日条件で雌は生殖脱皮をするのに対して、いろいろな条件を検討したが、とうとうその条件をつくり出すことはできなかった。そこで、4つのいわゆる内分泌撹乱物質(4-ノニルフェノール、フタル酸ジエチル、スチルベストロール、エストラジオール-17β)を用いて脱皮に対する影響を調べた。投与方法は経口と一部塗布で行い、脱皮直後から開始し、次の脱皮までの間隔と死亡を記録した。その結果、いずれの投与方法によっても、4-ノニルフェノ-ル投与区では、経口では40mg/gで、塗布では0.8mg/個体で脱皮することなくすべての個体が死亡した。その他の化合物は対照区と比較して差は認められなかつた。この作用が内分泌撹乱によるものかどうかは、今後検討する必要がある。なお、内分泌撹乱物質の効果を生化学的に解析するための道具として、造雄腺ホルモンおよび卵黄タンパク質に対する抗体を作製した。しかし、期間内にはそれを用いた解析までを行うことはできなかった。今後の課題として、室内飼育が野外と同じような状態でできる条件を確立することが急務である。その上で、細かい生化学的解析が意味をもつものと考えられる。
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