研究概要 |
内分泌撹乱化学物質としてビスフェノールAとDESを用い、(1)カイコガ発育・成長に及ぼす内分泌撹乱化学物質の影響((1)体重変化(2)脱皮・変態率(3)休眠率(4)孵化率や形態異常)について、3世代に渡って調査を行ったが,実質的な生理的変化や異常は認められなかった。(2)ビスフェノールAやDES投与個体の体液エクジステロイド力価への影響を調べたが,正常個体との間に優位な差は認められなかった。(3)精巣エクジステロイド含量に及ぼす内分泌撹乱化学物質の影響についてHPLC-RIA法で調べ,また、エクジステロイド受容と信号伝達機構系のについて検討したが,異常は認められなかった。(4)無核精子の形態異常は免疫組織学的観察で可能であるので、無核精子形成をvitroで再現するシステムの構築を計画した。培養条件下で,無核精子および有核精子の形成を誘導するシステム構築がなされた。しかし,実験によって両精子形成が変化してきており,再現性に若干欠ける点があった。グリコーゲンやECDYSTEROIDを培養システムに添加することで成果は上昇した。このシステムは化学物質安全性評価の為の新規生物検定法として確立されるまでには今しばらくの時間を必要とすると判断された。
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