研究課題/領域番号 |
13027277
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40295639)
|
研究分担者 |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40315932)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | FRET / GFP / 脂溶性シグナル分子レセプター / 転写共役因子 / クロストーク / リビングセル / 内分泌撹乱物質 / 海馬 |
研究概要 |
本研究の目的は、内分泌撹乱物質が脂溶性シグナル分子レセプターと転写共役因子との相互作用へ及ぼす影響を、主として中枢神経細胞内においてよりダイナミックに解析するために、GFPを用いたFRET(fluorescence resonance energy transfer)利用して生細胞内でリアルタイムに追跡する系を確立することである。本年度は、estrogen receptor(ER)αおよびβ、さらにこれらと相互作用することが知られている転写共役因子のSRC-1に焦点を置き、これらの相互作用に対して内分泌撹乱物質(bisphenol A(BPA)あるいはgenistein(GEN))がどのような影響を及ぼすかを解析した。ERα-CFPあるいはERβ-CFPとSRC-1-YFPとを共発現させた場合およびERα-CFPとERβ-YFPとを共発現させた場合、アゴニストのE210^<-7>Mを投与後15〜30分から、対照のcorticosteroneの場合と比較してFRET値の上昇を認めた。ついで、ERα-CFPあるいはERβ-CFPとSRC1-YFPとの相互作用に対するBPAおよびGenの影響を調べた。BPA10^<-5>Mは両レセプターとSRC1との相互作用に対して有意な差を示さなかった。一方、Gen10^<-6>Mを投与した場合、ERαに比べてERβとSRC1との組合せで高いFRET値を示し、ratio imageからも強い相互作用が認められた。今回用いたリガンドのE2、BPA、Genの両レセプターに対する親和性に有意な差がないにもかかわらず、ERαとERβのSRC1との相互作用の強さはリガンドの種類によって異なった。このことから、xenoestrogenのERとcoactivatorとの相互作用に及ぼす効果の相違が、xenoestrogenの示す組織特異的な作用の要因の一つであると推察された。今年度は、系の立ち上げの時期であり、COS-1細胞を用いた実験が主体となったが、今後は内分泌撹乱物質が中枢神経系に及ぼす影響に焦点を置くために、中枢神経系の様々な部位の初代培養細胞を用いて実験を行っていく予定である。そして、内分泌撹乱物質がステロイドホルモンレセプターと転写共役因子との相互作用に対していかなる影響を与えるのかを、生きている細胞内でのタンパク-タンパク相互作用という形でリアルタイムに可視化することによってダイナミックに捉え、さらにこの相互作用の変化によって神経細胞の形態などがどのように変化していくのかを経時的に観察したいと考えている。
|