配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
4H-1,2-ベンズオキサジン類は、その単純な骨格にもかかわらず未だ一般的な合成法が確立していないヘテロ環化合物であり、その有機合成化学または他の応用化学分野における有用性に興味が持たれる。本研究では、トリフルオロメタンスルホン酸(TFSA)または種々のルイス酸を用いた4H-1,2-ベンズオキサジン類の高効率的な合成法とその反応性について検討を行った。 Methyl 3-aryl-2-nitro-propionateを、CHCl_3中で過剰量のトリフルオロメタンスルホン酸(TFSA)存在下50℃で撹拌すると、様々な官能基R共存下、分子内閉環反応が速やかに進行し、目的の4H-1,2-benzoxazine(1)を高収率で与えることを見出した。同様の反応は塩化チタンなど過剰量のルイス酸を用いた場合にも進行した。得られたヘテロ環化合物は加熱処理によりo-benzoquinone methideを発生し、スチレン存在下でDiels-Alder付加体を与えた。また、1のエステル部位を加水分解すると容易に脱炭酸して2-hydroxyphenylacetonitrile類を与えた。これらの結果は、4H-1,2-benzoxazin類が酸素官能基化芳香族化合物合成の新たな中間体となりうることを示唆するものである。
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