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反応性ルテナサイクル中間体を経由する触媒的新規機能性有機分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 13029058
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関京都大学

研究代表者

近藤 輝幸  京都大学, 工学研究科, 助教授 (20211914)

研究期間 (年度) 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードルテニウム錯体触媒 / カルボニル化反応 / メタラサイクル / 炭素-炭素結合切断 / シクロプロペノン / ピロノピロン / アミノアルケン / 環状イミン
研究概要

新しい有機材料を創製することは、社会的に常に強く期待、要請されている重要な研究課題であり、最も有力な手段の一つは、新しい概念に基づく高選択的炭素骨格形成新反応による新しい型の機能性有機分子(モノマー)の合成である。本研究では、まず、従来の有機金属化学において錯体レベルでの研究が主であったメタラサイクル錯体を触媒的新規機能性有機分子の合成反応に利用することを試みた。さらに多元素環状化合物の新合成法の一つとして、ルテニウム錯体触媒を用いるアミノアルケン類の分子内酸化的アミノ化反応の開発を行った。
1.ルテニウム錯体触媒を用いるシクロプロペノン類の新規開環カルボニル化/二量化反応
分子内にカルボニル基と不飽和結合を併せ持ち、かつ適度な歪を有する環状化合物である「シクロプロペノン」類を基質に選び、ルテニウム錯体触媒存在下、そのカルボニルα-位炭素-炭素結合の切断、生成したルテナシクロブテノン中間体への一酸化炭素の挿入、さらにもう1分子のシクロプロペノンとの反応による新規機能性有機分子「ピロノピロン」誘導体の触媒的新合成法を開発した。Ru_3(CO)_<12>/Et_3N触媒系が最も高い触媒活性を示し、シクロプロペノンの新規開環カルボニル化/二量化反応により、対応するピロノピロン誘導体が最高収率87%で得られた。さらに本反応条件下、シクロプロペノンとアセチレンとの新規交差カルボニル化反応が進行し、非対称置換ピロノピロン誘導体が高収率(〜82%)で得られることを見出した。新規化合物「ピロノピロン」は、同一分子内に不飽和結合と2つのエステル基を有する芳香族性を有する化合物であり、その物性および高分子材料モノマーとしての利用が期待される。
2.ルテニウム錯体触媒を用いるアミノアルケン類の分子内酸化的アミノ化反応
多元素環状化合物の新合成法の一つとして、ルテニウム錯体触媒を用いるアミノアルケン類の分子内酸化的アミノ化反応による新規環状イミン合成法の開発を行った。その結果、炭酸カリウムおよび酢酸アリル共存下、新規ルテニウム触媒系[RuCl_2(CO)_3]_2/dppp[dppp=1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]を用いることにより、アミノアルケン類の分子内酸化的アミノ化反応が良好に進行し、対応する5、6員環の環状イミンならびにインドール誘導体が高収率かつ高選択的に得られることを見出した。本反応では、アミノ基の求核性を下げるためのトシル基の導入や、酸性条件下で反応を行うという必要は全くない。本反応は、高価なアミノアルキン類を用いることなく、安価なアミノアルケン類から環状イミン類、およびインドール類を直接合成する有機合成上、極めて有用な反応である。

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 近藤 輝幸: "ルテニウム錯体触媒の特異的機能を活かした新規有機合成反応"有機合成化学協会誌. 59・3. 170-184 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Teruyuki Kondo: "Ruthenium-Catalyzed Intramolecular Oxidative Amination of Aminoalkenes Enables Rapid Synthesis of Cyclic Imines"Journal of the American Chemical Society. 124・2. 186-187 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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